官能小説『ただいま』 第8話 恋歌様作

るわ」
勝ち誇った姉のご許可である。“優しく”命じられた弟は一度だけビクッ!としなが
らも、やがておずおずと命令に従おうとした――が、すぐ、叱責が飛ぶ。
「何やってんのよ!“口”だけって言ったでしょ!手が触るのまでは許していないわ
!」
空気を裂くような悲鳴に弟は再度ひれ伏した。弟は姉のスカートの中に手を入れ、
パンティを脱がそうとしていただけなのである。
「ご、ごめんなさい…」
土下座でもってわびる弟に姉は意地悪く微笑んだ。もちろん、床に伏せている弟に
その笑みは見えない。ただ、次の命令だけははっきり聞こえた。
「さあ!」
これ以上叱責されないということは、許してもらえた――ではなく、次に急いで進
まないといけないということである。健一は慌てて動いた。
「それでいいわ。丁寧にするのよ!」
(あ……)
命令通りに顔だけを動かして犬のように姉のスカートの中へ入る。薄暗い中、むっ
!とくる熱気と同時に、見た事のあるパンティ――紐でとめるタイプが見えた。
(姉さん……意地悪言ってたけど、本当は僕の為に準備していてくれたんだ…)
欲情した姉がさらに楽しむために着替えて待っていた――と思わないから、この弟
は奴隷状態なままなのである。
犬のような姿勢と口しか使えない不便さのもと、健一は姉のスカートの下の太股に
口を動かし、パンティの紐を何とか咥えた。蝶結びのそれは軽い一引きで容易に緩
む。それをあえてゆっくりとしたのは無意識からの姉へのサービスであったのだろう
か。
「も、もう一つね」
諒子の声もやや紅くなっている。実の弟にスカートの中を漁られ、パンティの紐を
口で解かれたという事実が痺れるほど刺激的なのだ。その危なげなパンティの下の
“もの”がはっきりといやらしい兆候を示している事は、弟が帰ってきたときから判
りきっているのだ―――
(ん……)
命じられるままに弟は口だけでパンティを外した。もちろんそのままスカートの中
から出てはこない。ということは今、そこでは剥き出しになった自分の恥かしい部分
が最愛の弟の目の前に―――
「何してんのよ!ご奉仕は!」
内心の動揺――或いはときめきを隠して姉は叫んだ。従順な弟はそのまま従う。次
の瞬間の恥かしい部分への濡れた感触に、姉は必死であえぎを堪える。
「……ふん。まあ、上手くなったじゃない」
弟は夢中で舌を――最愛の姉の秘肉に向かって動かした。舐める音とすする感触が諒子の腰
にまでじんじんと響く。思わずでそうになる可愛い声を高飛車な台詞でおさえるのが
やっとだった。
「まだまだよ。あたしがいいというまで…何十分でも…」
弟への意地悪の為にそう宣言した姉であるが、ほんの数分も立たないうちにそれど
ころいではなくなってきた。
(い、いい!…こんな…ずっと待ってたせいかも――でもけんちゃんもいつもより上
手で…激しくて…)
何時間も前からこの事態を期待していた分だけ、姉が不利だったのであろう。強が
りを良いながらも、身体は正直であった。
「あ……ん…」
姉の頬がさらに紅潮し、口元がだらしなく開く。そこから出た舌先が真っ赤な唇を
忙しくなぞった。すでに目は半分くらい空ろだ。そのスカートの中では弟の舌がしつ
こくいやらしく姉の秘肉を舐め蜜壺に向かって刺しこんでいく。その快感は腰から背骨まで突
き抜けそうになった。愛液のたてる音が“ぴちゃぴちゃ”へかわっていた。
「く……」
しかし、声は出せない。不埒な弟をお仕置きする姉としては、まさか、舌だけでい
かされそうになったなど認めるわけには―――
「よ、よし…もう良いわ。立ちなさい」
支配者としてのぎりぎりのプライドで姉は命じた――ほとんど“いってしまう”三
歩手前くらいで。その心の中では“いや!やめないで!”と絶叫するもう一人の女が
いるのだが、姉はそれを強烈な意思の力で何とか押さえこむ。ある意味でたいした精
神力ではあった。
「は、はい…」
舌のご奉仕は上手くいってたはずなのに――と弟は命令を訝ったが、もとよりこの
姉に逆らえるわけもない。心残りながらも出来るだけ急いで立ちあがる。
「あー―わ…」
急いで立ちあがった弟はさっきから全裸だ。当然、この位置ではソファに座ってい
る姉の目の前に腰のあたりがくる。そしてそこには…
「なーーに、おちんちん、おったてているのよ?お仕置きだってのに欲情したの?
!」
弟の恥かしい反応に急に余裕を取り戻す姉であった。姉に奉仕することで欲情した
弟の可愛らしさが虐めてやりたいほどに可愛く、また、その事実がさっきからぬめる
ほど濡れている秘肉の愛液をさらに潤わせる。何より、羞恥に満ちた弟の顔と反応が
どちらが優位かを決定したのだ。
姉の勝ち誇ったくすくす笑いが部屋に鳴り響く。
「ほんと、変態ねぇ。実の姉のここを犬みたいに舐めて勃起させるなんて。あんたを見て
きゃあきゃあ騒ぐ外の女達が知ったらどうなるかしら?」
姉は意地悪に微笑むと、恥かしさにうつむいた弟の股間を注視する。まだまだピン
クだが、大きさは並以上の弟の肉棒が腹につかんばかりに反り返っていた。これは目
の前の実の姉に欲情しているなによりの証だ。そしてそのことをなじられ侮蔑されて
もこの弟は抵抗する事も逃げ出す事もしないのである。ただただ、許しを請うように
立ちすくむだけ…
(だから、どんなになっても、けんちゃんはあたしからは離れられないのよ。ずっと
ずっと、あたしのもの…)
優越感を強烈に刺激された姉は右手をあげた。これはよけいなことだったかもしれ
ない。しかし、女王様然と構えながらも、弟の恥かしい――愛しい――反応をもっと
感じたかったのである。
「ふん!何度見てもいやらしい…」
そう責めながら、姉の右手が伸びて弟の肉棒に触れる――本当にかちんかちんだ。
試しにこっちへ倒してみた。ちょっと力を使ってようやく肉棒の先端が姉のほうを向
く。その時―――
「あ!」
姉の手の中で弟の肉棒がびくっと震え――半瞬後に弟の悲鳴と“その”爆発が重
なった。よける間もなく姉の顔一杯に“びしゃっ!”と白くて熱いものが多量に叩き
つけられる。そう、その匂いも味も堪能するほどに知っているそれが―――
「何すんのよ!姉さんに向かって!」
奴隷からの“顔シャ”と言う予想外の事態に、一瞬、呆然とした女王様であった
が、すぐに覚醒するやいなや右手で弟の肉棒を力一杯はたいた――これは痛い。
「いたっ!」
「ふざけんじゃないわよ!」
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