病的性欲亢進 ~良かれと思って招いた~

話術のうまさと言おうか… 和江のとりとめのないおしゃべに付き合い驚くほど心豊かな返事を返してくれる。 その言葉を素直に受け止め尾崎を自宅に良かれと思って招いた和江。 だが尾崎にとってそれは逆効果だった。
自分では考えてもみなかっただろうが連れ立って来た尾崎の会社の同僚が目を丸くするほど田村邸は当初尾崎が想定していたものと比べ立派で、もうそれだけで彼女は打ちひしがれ言葉を失ってしまった。
ともすれば鬱になりそうな自分を奮い立たせ和江の気持ちを明るい方へ持って行くために話術を駆使し和江を惹き付けたのだろうが尾崎と違って和江は本当の意味において有閑だったのだ。
母親に揖保乃糸を出したら怒られたと和江に語ると和江は自分ん家の冷蔵庫には卵とパンしか入っていないと述べた。 尾崎はそれをこうやって浪費するから物を買うお金が無いんだと告られたような気がしたのだ。
しかし実は自分で食事を作るのが面倒で総菜を買って食べるか、或いは外食してるから冷蔵庫に物が無かったと知ったのだ。 確かに幼いころは貧民窟に棲んでいた。 が、今や豪邸に住んでいたのだ。
どんなことでもあっけらかんとして話してくれてた尾崎の態度がこれで一気にひっくり返った。 顔を合わせるのを避けるようになっていった。
和江に対してだけではない。 同僚に対しても同様に避け始めた。 一番悪い影響を与えたのが尾崎の存在に惹かれ給料が安いと分かっていて入社した年下くんだ。
入社当初、過去に一度も売り子などというものをやったことのない彼は店側にとってただの木偶人形だった。 挨拶どころか服装自体女性用品を売る店にふさわしくなかったからだ。
何故かと言えば恐らくだが彼は金銭的にその余裕がなかったように思われる。 しかしここで客として来た和江によって尾崎の目の前で年下くんは忠告を受ける。
年齢から言ってもそこまで言われ一歩下がって従う筈もないものを、彼は素直にこれに従った。 尾崎の目があったからだが当の尾崎も和江にそれとなく言われ年下くんに近づき会話を交わすようになっていった。
年下くんは当然張り切った。 何故なら尾崎はこの頃になると付き合ってると言うより片思いの彼に声を掛けてもらえなくなり揺れていたからだ。
淋しいイコール誰かに救いを求める… となったと思われ、恐らく年下くんはこれをチャンスと捉えてしまったんだろう。 彼女と更に積極的に会話を交わすようになる。 有り金どころか精神面でも体力面でも支えて支えてささ尽くしたんじゃないかと思われる。 が、一方で彼女の心はその身勝手漢の元から離れておらず精神どころか身体まで不調をきたすようになってしまっていた。
店に出勤しない時間帯は全力を尽くして身勝手漢が他の女と寝るのを阻止し続け、機会をとらえては自分が抱いてもらおうとしまくっていたのだ。
なけなしのお金と発情しきった性器を携え訪れてくる。 漢にとって実に便利な女になってしまっていたのだ。
悲しいかな年下くん、彼女を追いかけているうちにその理由を知ってしまった。 彼女が近いうちに漢と一緒に暮らしたく店を辞めようとしていることもである。
彼女を支えたくて年下くんは無理を覚悟で自分から先にその店を辞め、同じビル内にある別の店舗に勤めた。 それはそうだろう、ろくろく働かない彼女を支えていくためには今の給料では心もとないからだ。
ところがこのビルでは規定があってビル内のテナント同士で従業員を引き抜くことを禁止されていたのだ。 受け入れた方の店長も、もちろん年下くんもそんな規則があるとは知らず先の店舗を辞職している。
尾崎に貢ぎあげ棲む場所の家賃も払えない状況下にありながら無職になってしまった。 それも肝心の尾崎はどうしても今付き合ってる漢と切れてくれない。
年下くんは将来を悲観してドアノブに紐を引っ掛け虹の橋を渡ってしまった。
ここまで至ってもこの母娘は自分の生きざまを変えようとはしなかった。
月の半分も出勤せずして生活費が賄えるわけがない。 不足前を何処からか引っ張ってきているであろうことを母は娘に向かって指摘しなかったのだ。
妙なものを漢に魅せ付け不適切な利を得ていることを、夕食に出された揖保乃糸については怒ってもウリまがいのことは当然と捉え叱らなかったのだ。
しかし如何に会話のない職場仲間とは言えこうなってしまうと隙間風が吹くのは当然。 結局尾崎はいたたまれなくなり店を辞めてしまった。
和江は自分が首を突っ込んだおかげで店員全員が辞めざるを得なくなったんじゃなかろうかと責任を感じ、当面そのビルへの出入りを止めていた。
しかし長期に渡って来てもらえなくなった別の店の店員はそんな深い理由があったなどと知らない。 ついつい電話で呼び出しをかけた。
和江も挨拶もなしに行かなくなったのでは具合が悪かろうと渋々出かけ、そこで尾崎の話題となり彼女の体調悪化の原因が堕胎であると知ることになる。
年下くんが虹の橋を渡ったのは恐らく、止めても止めても彼女を袖にした漢の元へ出かけゴム無しで行為を持ったことを知ったからではなかろうかと思えるのだ。
それなのに和江には体調不良の理由を食べ物を呑みこみにくいと語り、わざわざ病院に付き添ってもらい総合病院への紹介状まで書かせた。 たまたまその総合病院での診断結果が逆流性食道炎だっただけで真の原因は堕りてしまった (無理して自分で堕してしまったように思える) せいだったのだ。
それで諦めて母娘共々京大阪方面に帰るかと思いきや、未だにその漢を追いかけまわしているのだ。
恐らくこの先彼女はその漢に貢ぐため別の漢を次々と食い物にしていくだろう。 一見モデルのような肢体と美貌を餌に。
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