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官能小説『蛇の毒』 第2章 仲直り

益荒男様 作

官能小説『蛇の毒』


この小説はShyrock様のご許可を頂き掲載しています。

濡れたところに舌が潜り込んできた 日が暮れて暗くなっても栄治は戻って来なかった。靖子はだんだん不安になってく
る。恥ずかしいところを弟に見られ、毒を吸い出すためとは言え、散々しゃぶられて
しまったのである。この歳になっても男を知らない靖子には天と地がひっくり返る程
ショックな出来事だった。だから、ついきつい言い方をしてしまったが、頼んだのは
自分の方なのである。
 時間だけがどんどん過ぎていった。一人で暗くなった家にいると不安な気持ちに押
し潰されそうになった。どうやら毒蛇ではなかったらしく、噛まれたところも殆ど痛
まないのだが、このまま栄治が帰ってこないと思うと居ても立ってもいられなかった。
靖子は下着を新しいものに替えて外に出た。森の中は殆ど真っ暗で何も見えない。靖
子は荷物の中から懐中電灯を取り出して裏の斜面を降りていった。
 「栄治。」
 梯子の下まで来た靖子が声を掛けた。返事はない。
 「栄治、さっきはごめん。」
 「何だよ、今頃。」
 ようやく不機嫌な声が返って来た。
 「ねえ、降りてきて。ご飯にしよう。お腹、空いたでしょう。」
 「空いたけど。」
 「とにかく謝る。ごめんなさい。気が動転してたの。」
 「もう変な言い方しない。」
 「しない。約束する。」
 「分かったよ。行くよ。」
 東屋から降りてきた栄治はそれでも不機嫌そうな顔でさっさと家に戻って行った。
慌てて靖子も後を追った。
 夕食の支度と言っても簡単なものである。電気が来てないので冷蔵庫は当然無い。
夏場に生ものは無理なのでカップラーメンやレトルトが主体になる。ご飯も炊くのが
面倒なのでレトルトだった。果物と野菜が味気ない食事を少しだけ補っていた。二人
がカップラーメンとレトルトのカレーで夕食を済ませた。栄治がドラム缶の風呂に火
をつけに行く。暫くしてパチパチという音が聞こえてきた。
 「姉貴はやめておいた方がいいんじゃない。」
 「でも、お風呂は入りたい。汗で体が気持ち悪いから。」
 「でも、化膿したら大変だよ。」
 「出てから薬塗れば大丈夫でしょう。」
 「まあね。好きなようにすれば。」
 三十分ほどして栄治が湯加減を見に行った。
 「入れそうだよ。先に入る。」
 「そうね。入っちゃおうか。」
 靖子が少し考えてから言った。
 「ねえ、入る前に腫れてないか見てくれる。」
 「え、やだよ。また変なこと言われちゃかなわない。」
 「もう言わないってば。」
 「本当に。」
 「約束するって。」
 「うん、じゃあ見て上げる。」
 部屋に戻って下着を脱いだ靖子が脚を開いて見せた。ランプの明かりでは暗いので
栄治が懐中電灯で照らした。
 「どこだっけ。」
 「聞かれたって分からない。」
 「じゃ、触るよ。触っても文句言わないね。」
 「言わない。」
 栄治の指先が襞に触れた。周りに殆ど毛が生えていないせいか、何となく幼く見え
る。襞を摘んで広げると小さなかさぶたが見えた。
 「痛い。」
 栄治が聞いた。
 「ううん、痛くない。」
 「かさぶたになってる。血は止まったみたいだから、後は化膿さえしなければ大丈
夫だよ。」
 「ちゃんと見てね。」
 「うん。」
 栄治がもう一度はみ出した唇を摘んで左右に開いた。
 「あ、」
 靖子が小さな声を出した。
 「ごめん、痛かった。」
 「ううん、大丈夫。」
 栄治の指先が襞の中を撫でた。
 「この辺は痛くない。」
 「大丈夫みたい。」
 「ここは。」
 栄治の指が襞の合わせ目の膨らみを撫でた。そっと剥いてみると中から小豆粒くら
いのピンクの頭が顔を出す。栄治の鼻を甘酸っぱい匂いがくすぐった。
 「くすぐったい。」
 靖子の襞はかなり長く、下は尻の穴のすぐ近くまで延びている。その襞を栄治が指
先で丹念になぞって行った。
 「ちょっと、そこは違うんじゃない。」
 靖子が身を揉んだ。
 「こっちは大丈夫みたいだね。」
 「馬鹿。」
 靖子は『もういい』とは言わない。栄治もやめる切欠が掴めぬまま指先を何度も行
ったり来たりさせている。
 「ねえ、栄治。」
 靖子がかすれた声で言った。
 「何。」
 「念のため、もう一度、毒を吸い出した方がいいんじゃない。」
 栄治がびっくりしたように靖子を見た。既に毒蛇ではなかったことが分かっている
し、化膿もしていないようなので薬を塗るだけで済むのである。
 「え、うん。そうかも。」
 曖昧に答えた栄治が確かめるような目で姉の顔を覗き込んだ。靖子がハッとしたよ
うに横を向いた。言ってしまって自分の方が恥ずかしくなったらしい。気まずい空気
が二人の間を流れて行く。堪えきれなくなって口を開いたのは靖子の方だった。
 「ね、その方がいいと思うから。」
 「うん。そうだね。」
 栄治が椅子の方に進み出た。
 「お願いします。」
 栄治がそっと口を付けた。昼間は毒を吸い出すために唇の外側が中心だったが、今
回は最初から濡れたところに舌が潜り込んできた。
 「まだ痛む。」
 栄治が顔を上げて聞いた。
 「ううん、大丈夫みたい。」
 「化膿はしてないね。」
 栄治がもう一度口を付けた。靖子の膝が更に弛んだ。
 「ああ、きも・・・」
 靖子が言いかけて思わず口をつぐんだ。気持ちいいと言いたかったのだろう。栄治
もいつの間にか自分の行為に夢中になっていた。汚いなんて思わない。勢い余って舌
の先が後ろに行っても靖子は平気でそれを受け入れた。
 「き、気持ちいい・・・」
 靖子の口からとうとうその言葉が出た。栄治の口の動きが更に激しくなる。靖子が
思わず栄治の頭を抱えて自分の方に引き寄せた。
 ようやく栄治が顔を上げた。一時間以上しゃぶり続けたことになる。靖子は放心し
たように頭を後ろに垂れ、脚を大きく広げたまま喘いでいた。開きっぱなしになった
紡錘形の唇が何か言いたげだった。
 「もういいんじゃない。」
 栄治の声に我に返った靖子が慌てて膝を閉じた。
 「う、うん。ありがとう。」
 「風呂、入る。湯加減見て来ようか。」
 「うん。すぐ行くから。」
 栄治がドラム缶に手を入れて湯加減を見ていると靖子が裸になって歩いてきた。靖
子の変わり様に栄治が目を見張る。昨日までは、例え相手が母親でも絶対に自分の裸
を見せようとはしなかった靖子なのである。
 「どう、湯加減。」
 「時間が経っちゃったから、ちょっとぬるいみたい。燃そうか。」
 「うん、お願い。」
 靖子が栄治の見ている前で体を流し始めた。胸が小振りで遠くから見ると少年のよ
うな体付きである。もしかしたらそれが靖子のコンプレックスになっているのかも知
れない。栄治がドラム缶の前にしゃがんで薪をくべていると靖子がドラム缶の縁を跨
いだ。
 「ねえ、栄治。」
 「何。」
 「私の胸、小さいと思わない。」
 栄治が薪をくべる手を休めて見上げた。
 「大きくはないね。」
 「どうやったら大きくなるかなあ。」
 栄治がクスッと笑った。
 「やあねえ、馬鹿にしたみたいに笑わないで。」
 靖子が唇を尖らせた。
 「ち、違うよ。漫才ネタを思い出しちゃったんだ。」
 「何、その漫才ネタって。」
 「それがさ、おっぱいと掛けてやくざの喧嘩と解く、って言うんだ。」
 「何なの。」
 「その心は、すったもんだで大きくなる。」
 「すったもんだ、あ、吸った揉んだね。馬鹿。」
 「姉貴も早いとこ吸ったり揉んだりしてくれる彼氏見付けなよ。」
 「彼氏ねえ。そんなに簡単には見付からないし、そのためにも大きくしたいし。」
 栄治が一つ咳払いした。
 「俺に吸えって言うの。」
 「うん。違うとこも吸って貰ったことだし。」
 「意味が違うでしょう、意味が。」
 「そうかしら。」
 栄治が黙り込んだ。靖子も自分で言ってしまって照れ臭いのかドラム缶の中に沈む。
再び顔を出した靖子が栄治の目を真っ直ぐに見つめた。
 「嫌。」
 「嫌じゃないけど。」
 「じゃあ、吸って。」
 「いいよ。」
 立ち上がった靖子の胸に栄治が顔を寄せる。ピンと立った乳首が月明かりの中で光
っている。両方の乳首を代わる代わる吸った栄治が両手で靖子の胸を包み、柔らかく
揉み始めた。
 「いい気持ち。」
 靖子の中で何かが変わろうとしていた。偶然の出来事が弟との垣根を全て取り払っ
てしまったらしい。靖子が栄治に背中を向けた。抱えるように回された手が再び胸の
上に置かれる。
 「毎日揉まないと効果ないわよね。」
 「多分ね。でも、パパとママが来たらそうは行かないよ。」
 「パパは来ないと思う。」
 「何で。」
 「多分、仕事が忙しいって。去年もそうだったじゃない。」
 「そう言えばそうだね。でも、ママは来ると思うよ。同じことだよ。」
 「そうよね。寝る部屋、一つだもんなあ。」
 暫くして栄治が手を離した。
 「ごめん、栄治。お湯が熱くなって来た。うめて。」
 「水、無いよ。ちょっと待って。火を落とすから。」
 慌てて栄治がドラム缶の下から薪を掻き出した。靖子が縁に両手を掛けて体を外に
出し、両足をドラム缶の外に出した。
 「こう言うとき水道があるといいのにね。」
 靖子の開いた脚が栄治の方を向いている。腰を突き出しているので丸見えだった。
 「何て格好してるの。」
 「もう一度吸って。」
 頷いた栄治が靖子の両脚を抱えるようにして顔を寄せた。靖子が喉の奥でクックッ
と笑う。
 「栄治も入っちゃえば。体洗って上げる。」
 栄治が口を離さずに頷いた。
 裸になった栄治がドラム缶の前に立った。真っ直ぐに靖子の方を向いたその部分に
手が延びてきた。
 「固くなってる。」
 「あんなことしたら、相手が姉貴だって固くなっちゃうよ。」
 「栄治もこうしてると気持ちいいの。」
 「擦ってくれれば。」
 「こう。」
 「もうちょっと強く。」
 男を知らない靖子でもこの年になれば男の生理位は知っている。と言うより、栄治
がオナニーしている姿を偶然見てしまったこともある。その時は軽蔑するような目で
見た靖子が今は自分の方から進んで手を伸ばしている。   
 「栄治も吸い出した方がいいんじゃない。」
 「う、うん。」
 「さっきのお礼よ。」
 靖子がドラム缶から出た。代わりに入った栄治がドラム缶の縁に腰を寄せる。足が
熱くないように角材と板で作った簀の子を入れているので上を向いたものがちょうど
縁から顔を出した。
 「男のって、こうして改めて見ると結構可愛いのね。女の方がグロテスク。」
 「そうかなあ。そうは思わないけど。」
 靖子がそっと顔を近付けて来た。最初は怖ず怖ずと唇の先だけで触れてみる。暫く
して唇が僅かに開き、先端が挟まれた。栄治が柔らかいものをそこに感じた。舌の先
らしい。躊躇い勝ちに触れる程度だったその感触がやがてクルクルと周りを舐め始め
た。
 栄治は散々姉の女の部分に口を付けていたのでさっきから爆発寸前の状態になって
いた。靖子の唇で先端を擦られるとあっと言う間に気持ちが高ぶってくる。靖子が思
いきり吸い込んだ途端、栄治が叫んだ。
 「駄目、イッちゃう。」
 靖子が咽の奥で呻いた。瞬く間に口を満たして行く熱い流れをどうしていいか分か
らない。唇をすぼめて外にこぼさないように、それだけを考えているようだった。二
度、三度。栄治はいつまで経っても収まらない自分に腰が震え始めた。
 ようやく栄治の奔流が治まり、凍り付いていた靖子の喉がゴクリと鳴った。全てを
飲み尽くした靖子がようやく口を外す。
 「飲んじゃった。大丈夫よね。」
 「うん。」
 「話には聞いてたけど、実際は凄いのね。」
 ものの一分ともたずに果ててしまった栄治に靖子は幾分拍子抜けしたようだった。
 「もう一度吸おうか。」
 まだ固さを失っていない栄治に触れた靖子が聞いた。
 「うん。お願い。」
 今度は最初から思い切り口に含む。さっきとはうって代わって粘っこい音が何度も
口元から漏れてきた。栄治はそんな姉の表情が見たかったが、暗いからこそ抵抗が無
いのだろう。深くくわえ込まれているので上顎に当たる感触が心地よい。栄治は少し
でも長くその感触を楽しもうと必死に堪えた。
 「ありがとう。もういいよ。」
 二度目も激しく靖子の口を満たした栄治がそっと頭を撫でた。
 「何か、変なことになっちゃったわね。」
 顔を離した靖子が呟いた。声がいつもと違って鼻に掛かっていた。
 「うん。でも、気持ちよかった。」
 「私もよ。何となく抵抗があったんだけど、こんなに気持ちいいなんて。だからみ
んな夢中になるのね。」
 「きっと病みつきになるよ。」
 「さ、暖まって。体洗って上げるから。」
 その晩、靖子は栄治の腕に抱かれて眠った。




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