大盛りの飯にイカの塩辛添えで奉られ
冬子はこの時とばかりにイカの塩辛をどこへなりと樽の中からピンハネし隠す。 己にとって正真正銘の漢と決めた輝久に食わせより逞しくする為である。
山中から冬子を担ぎ帰った直後からの3日間、輝久は意識を失い眠り続けた。 その輝久があたかも暁闇から深夜に至るまで野に出て汗水流し働いてるが如く見せかけ、その実裏山の熊笹の中に隠し通したのは誰あろう、助け出された冬子である。
一徹者の金衛門を暇さえあれば搾り上げ膂力を残さないようにしつつ輝久の様子見に通う。
いくつもの座敷を掛け持ちし春を鬻いできた冬子ならではの技であった。
この日も金衛門が散々焼酎を浴び大鼾をかき始めると秘かに家を抜け出し輝久の元へ御大層に膳をわざわざ朱の風呂敷で包むようにして大盛りの飯とイカの塩辛を携え駆け付けたのである。
輝久が苦労辛酸し大盛りの飯を平らげ胃が張って仕方が無いから横になると、これまた痒いところに手が届くよう背中に回り胃の後ろを女だてらにせいぜい力を籠め揉むのである。
”腹の皮が突っ張れば目の皮が弛む” からなのか、それとも冬子の掌の温もりが心を癒すのか輝久はコクリコクリと居眠りを始めました。
輝久が眠りについたのを見届けると冬子は急いで家に引き返しました。 後をつけられこんなところを見つかりでもすれば輝久はしたたかに殴打されるに決まってるからです。
大酒呑みの眠りは浅いと言います。 裏口に転がり込んだ丁度その時に金衛門は眠りから覚め焼酎の瓶を探し始めていました。 もうひと眠りすべく迎え酒の焼酎の算段をしていたのですが、生憎焼酎の瓶は空になっていました。
冬子は慌ててそこいらを這いずり回って何処かに封を切っていない焼酎は無いか探すのですが見当たりません。 そのうち金衛門は腹を立て焼酎をなんで切らすかと冬子を責め始めたのです。
当然冬子に向かって焼酎の空瓶が飛び、それが三和土にぶち当たった衝撃で粉々に砕け散りました。 そんな時です。 表からのそりと輝久が入って来たのです。
「親爺、今から焼酎取りに行ってくる」
こう言い残すとさっさと家を出て行きました。
焼酎を取りに行くと言っても外はとっくのとうに日は暮れて辺りは真の闇です。
つい先だってまで山道に迷った義母を探し歩き回り、おまけに身動きできなくなった女とは言え大人を背負って帰り動けなくなった躰で峠を越えるのはいくら何でも無理なように思え冬子は思わず後を追っていました。
あのまま家にいたにしてもきっと暴力の果て太股を割られるに決まっているからでした。
しかしそこは女の浅知恵、またしても道に迷ったあの路地で前回と同じ方向に足を踏み入れてしまったのです。 気が付いて引き返そうとしましたが辺りは真っ暗闇、方向感覚が定まりません。 泣き叫ぶより方法が無かったのです。 冬子はあらん限りの声を振り絞って輝久の名を呼びました。
呼べど叫べど聞こえるのは風になびく木の葉の音ばかり。 恐怖で動けなくなって座り込むこと幾時間か、何処やらから何かが近づいて来たのです。
とうとう獣にと覚悟を決め、それでも恐ろしく顔を地面に伏せ祈りました。
もう襲い掛かられるか、もう襲い掛かられるかとそればかりが頭をかすめましたが何故か近くまで来てるはずの獣が襲ってきません。
夜がうっすら明けなんとか辺りを見回せるようになってよくよく見ると、なんとそこに使いに行ったはずの輝久がうずくまっていたのです。
勘助の棲む村の一軒に預け置いてある焼酎10本入りを箱ごと背負って家路につき、親爺に焼酎を渡すとまたふらつく躰に鞭打って愛おしい義母を探しに家を出たのです。
知り合って初めて冬子は輝久を抱きしめ涙しました。 輝久が自分の近くで薄れる意識の中、それでも気を這って周囲を見張ってくれていなければ恐らく今頃は熊の餌食になっていたでしょう。
かと言って抱きしめただけで輝久が立ち上がれるとは思えず、冬子は思いつくままに輝久に乳を出して含ませました。 漢に春を鬻ぎ、それも出戻りであっても未だかつて孕んだことはありません。 母乳など出よう筈も無いのに含ませたのです。
悲しい女の性でした。
ところがしばらくすると輝久はもぞもぞとその乳を吸い始めたのです。 幼いころよりろくに喰わせてもらえず貧血気味のはずなのに冬子の体臭に漢が反応し始めたのです。
冬子は輝久の介抱に夢中になりました。 吸っても吸っても出ない乳に輝久ではなく冬子が癇癪を起し吸う力も失せ始めぐたりし始めた輝久にこれならどうかと下を半分脱いで顔を跨ぎました。
ここのところなんやかやと事件続きで、しかも金衛門家には穴の開いた五右衛門しかなく風呂に入れてもらえず白いカスが付着しています。 それを気を失いかけた輝久の顔に押し付けたのです。
まず最初に息苦しさに反応し、それが恋焦がれた義母のアソコだと知ると狂ったように舐め始めたのです。
このままでは虹の橋を渡ると早とちりし与えた冬子こそ窮地に陥りました。 親が親なら子も子。 女のアソコを目にした途端何処にそのような膂力が残っていたかというほど冬子を蹂躙しました。 今度こそ山中で輝久の手により冬子は何度も何度も天に昇らされたのです。 白いカスどころか蜜も尽き襞は腫れ上がりぽっかりと大きな空洞が漢を求め空いてしまってました。
冬子だけ自分勝手に逝ってしまったものですから置いてけ堀になった輝久は雄々しくなったそれを持て余し握りしめ、しかしハメたくてオロオロするばかりだったのです。
困惑の極に達した冬子が正気に戻ると待ちかねた輝久の背に載せられ大声で歌を歌いながら山を下っていったのです。
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