官能小説『危ない画像』 第14話

雅彦が不安そうに聞いた。
「大丈夫、このままイッて。」
「うん。」
雅彦が下から手を伸ばして圭子の尻を両手で掴んだ。その尻を思い切り自分にぶつ
けると先ほどの感触が戻ってきた。
「そこ、そこ。」
圭子が焦れたように身を揉んだ。
進と久仁子が雅彦の家に引っ越してきた。元々一家三人が暮らして来た家である。
進が麻美の寝室で寝起きすれば久仁子にも一部屋使わせることが出来た。邦宏と和美
の兄妹も家が近いことが分かり、お互いに往き来するようになった。
ある日、雅彦がパソコンの写真を整理していると久仁子が部屋に来た。雅彦は残っ
ていた画像の整理をしている最中だった。画面を見た久仁子が思わず叫んだ。
「何でママの写真がここにあるの。」
画面には圭子が両足を広げた正面からのポーズが映っていた。
「え、ママって、圭子さんが久仁ちゃんのママなの。」
雅彦が振り返って久仁子を見詰めた。言われてみれば顔付きもあそこの形もそっく
りだった。
「そうよ。でも、ママが何でこんな写真を。あ、もしかしてママの不倫相手って、
マーちゃんのパパ。」
一緒に暮らすようになってから久仁子は麻美の真似をして雅彦をマーちゃんと呼ぶ
ようになっていた。
「うん。ずっと昔からみたい。」
「うわあ、何だか凄い関係。マーちゃん、ママと逢ったの。」
一瞬考えた雅彦がコクッと頷いた。
「もしかして、エッチ、した。」
こんな写真を雅彦が見ているのだから当然の質問だった。もう一度、雅彦が頷いた。
「やだ、ママともしちゃったんだ。」
雅彦は久仁子がさして驚いた様子でもないのが意外だった。
「久仁ちゃん、僕がママとエッチしても平気なの。」
「うん。相手がママなら許して上げる。」
「変なの。」
「かもね。自分でも分からないけど、ママなら許せるの。」
「僕のママは。」
「仕方ないでしょ。駄目って言ってもするんだから。私の方もパパとするからお相
子よね。あ、狡い、マーちゃんの方が一人多い。」
「ごめん。」
「ねえ、私のママと、また逢う。」
「圭子さんは逢いたいって言ってる。」
「このこと、パパたちに話した方がいいかしら。」
「うん、僕も迷ってるんだ。」
「ずっと秘密には出来ないよね。だったら話した方がいいかも。」
「でも、うちのママと圭子さん、上手く行くかな。」
「さあ、その話しは寝耳に水だもんね。」
久仁子が雅彦の顔を自分の方に向けて唇を重ねてきた。雅彦は久仁子のちょっとし
た言葉も聞き逃してはいなかった。圭子のことは意外でも、その他は全て当然のこと
だったらしい。
その晩、珍しく四人一緒にベッドに入ったところで雅彦が久仁子に目配せした。
「話すの。」
「うん。」
二人の意味ありげな様子に麻美が顔を上げた。二人が抱き合っているタイミングを
選んだのである。
「実は、圭子さんのことなんだけど。」
進が驚いたように後ろを向いた。
「雅彦が何で圭子のことを知ってるんだ。」
「そうよ、何でマーちゃんが。」
麻美もきつい目で雅彦を睨んだ。
「これで少しずつ糸が解けて来たね。」
麻美がハッとして目を逸らせた。二人が偶然温泉で出会った訳ではないことを白状
したも同然である。
「パパと圭子さん、ずっと不倫してたんだよね。ママも進さんも、そのこと知って
たんでしょ。」
二人が顔を見合わせた。
「久仁ちゃんもね。」
三人が黙って雅彦を見た。
「ママと進さんはいつからこう言う関係だったの。」
雅彦が二人の腰を指差した。麻美が間に手を差し込んだ。深刻な話しになって進が
萎えてしまったらしい。麻美が諦めたように進の上から離れた。
「きちんと話す時期が来たのかな。」
進がベッドの上に座り直した。
「雅彦の言う通り、俺たちは圭子と雅彦のパパのことは何年も前から気が付いてい
た。気が付かない方がおかしいさ。自分の女房が他の男に抱かれてるんだからな。そ
れも毎週金曜。欠かさずだった。」
「ママも。」
雅彦が麻美に聞いた。
「ええ、初めてパパが浮気、と言うか圭子さんと寝てきた日に気が付いたわ。」
「それでも別れなかったんだ。」
「勿論、色々考えたわよ。すぐ興信所に頼んで調べさせたの。そしたら、向こう、
進さんのことね、そっちでも調べてるらしいって。ちょっと微妙だったんだけど、私
の方から進さんに連絡したの。」
「それって、何年前の話し。」
「六年、いえ、七年くらいになるわね、もう。」
「それで、ママと進さんが会ったんだ。ところで、いつ二人が出来ちゃったの。」
「出来ちゃったはご挨拶ねえ。ま、その通りだけどさ。白状しちゃうと、初めて会
った日なのよ。お互いにビビッて感じるものがあったから。」
「じゃ、ママたちも七年くらい付き合ってるんだ。」
「そう。でも、滅多に会えなかったから、雅彦が思ってる程じゃ無いのよ。」
「久仁ちゃんはそのこと、知ってたんだ。」
雅彦が傍らの久仁子の肩を抱きながら聞いた。
「うん。エッチしてるって知ったのはつい最近だけど。」
「平気だった。」
「ちょっと妬けたわよ。パパ取られたと思ったし。」
雅彦が麻美を見た。
「ねえ、肝心なこと聞いていい。」
「そう来ると思ってた。この際だから、何でも話すわよ。」
「何でママ、僕とセックスする気になったの。それと、進さんと久仁ちゃんも。そ
れが無ければ全部納得なんだけど。」
「当然の質問だわね。答える前に聞いておくけど、雅彦は今のこと、どう思ってる
の。」
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