長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第22話 Shyrock作
破天荒
球「どうしたの?こんな時間に。今風呂から上がったところなので髪が濡れてるの。乾かしてから電話するね」
ありさ「そうなんだぁ。うん、わかった~、じゃあ、待ってるねえ」
自分の提案を少しでも早く球に伝え彼女の意見を聞きたかったありさは、少し残念そうな表情で携帯を置いた。
でもそんな奇想天外な提案を球が聞き入れるだろうか。
ちょっとでも早く球に伝えて球の反応を確かめたい。
ありさは携帯をそばにおいて球からの電話を待ちわびた。
一方その頃、球は髪を乾かしていた。
バスタオルで髪を包み両手で挟むようにしながら、軽くポンポンと叩く。
後はドライヤーで乾かすだけだ。
ドライヤーの風に髪をなびかせながら、球はポツリとつぶやいた。
球「ありさったらどうしたんだろう?すごく急いでいたみたいだけど・・・」
球はありさの事が気にかかり髪の手入れを早めに終えることにした。
冬は髪が乾きにくいが、もう大丈夫だろう。
ありさの携帯に着信音が流れた。
球「ごめんね、ありさ。何かあったの?」
ありさ「球、ごめんにゃ。あのね、今度の旅行のことだけどね」
球「うん」
ありさ「え~とね」
球「うん、何?」
ありさ「一晩だけクロスラヴしない?」
ありさ「にゃんにゃん、違うってば。ありさもレズはしないよお~、オトコが好きだもん」
球「うん、ありさの男好きは誰もが知ってるもんね」
ありさ「何か意味が違うような気がするんだけどなあ。まぁいいけど」
球「で、そのクロスラヴって何?」
ありさ「あのね、俊介と浩一を一晩だけ交代させるの」
球「にゃ・・・?」
球はありさの言っている意味がまだよく飲み込めない。
球「交代って・・・一体何の交代?」
ありさ「だからねえ、夜ね~、球は浩一と絶対エッチするでしょお~?」
球「そりゃまあ、たぶん、する事になるだろうけど・・・えっ!ありさ、まさか!!そんなことを考えてるの!?」
ありさ「うん、そのまさかなの。浩一の所にありさが行って、俊介の所に球が行くのお。分かった?」
球は一瞬言葉を失ってしまった。
ようやくありさの言ってる意味が理解できたものの、どう考えても尋常ではない。
球「ありさ・・・」
ありさ「なあに?」
球「それ正気で言ってるの?自分の言ってることを分かっているの?」
ありさ「うん、分かってるぅ」
ありさは全く悪びれた様子がない。
球「いくら何でもそれはちょっと無理じゃないかな~。それに俊介と浩一も賛成しないと思うんだけどなあ」
ありさ「あぁ、そうかもねえ・・・」
俊介と浩一の名前が出た途端にありさは急に弱気になってしまった。
球「ところでそんなこと、何をヒントに思いついたの?」
ありさ「実はね・・・」
ありさは女性誌『ニャンニャン』に掲載されていた記事の内容を球に説明した。
球はありさが語る常識を超えた破天荒な話に耳を傾けた。
ありさの説明が終わった時、黙って聞いていた球はやっと口を開いた。
球「ふ~ん、すごい人もいるもんだね~。浮気防止のための公然とした事前浮気ってわけだね?」
ありさ「何かむつかしい言葉使うにゃ。球はどう思う?やっぱり無理かなあ・・・」
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