息子を溺愛してしまった母による間違った子育て

隼人は物心ついた時から現在に至るまで母の聡子は我が子と連れ立って出かけようとした。
「うちの人がやらない分、私が頑張らなくっちゃ」 が口癖で、まるで家庭教師のごとく何から何まで面倒を見るというより口やかましく指示を出す。 四六時中目を光らせ見張ってないといけないと考えていた聡子。 隼人が性に芽生え始めた年齢に達しても平気でお風呂に誘い時に床を供にした。
口やかましい聡子を嫌って亭主が夜のお勤めを拒み始めると、いよいよそのはけ口を身近な息子に求めるようになっていった。 しかし当の隼人が最も興味を抱いたのは同年代の女の子だったのだ。
母が欲情の赴くままに息子と躰を重ねようとする。 隼人はそれにより男女の性を覚えたが、果たして同年代の女の子が同じやり方で母と同じ状態に陥ってくれるだろうか。 奥手で声を掛けられないまでもそれを知りたがった。
そんな思いに駆られるようになったある日、隼人は外回りに出かけるふりをして一杯飲み屋の近くをうろついた。 店は夕方から開くのでこの時間に行っても開いてないことを知った上でである。
店の前まで来ると、案の定若奥さんが開店時間に合わせ店の前の掃除とゴミ出しをしていた。 この店は表向き鉄骨かコンクリート構造のように見えその実、間口が狭いウナギの寝床のような作りになっていて店の奥が詰まる所夫婦ふたりの住まいになっているようなのだ。
このことは何度も店に来ている間に常連客が、先方としては顔見知りになったつもりでいたんだろう、教えてくれたのだ。
隼人の存在に気付くと、その若妻、佳純はにっこり笑って会釈してくれた。
「こんにちは……。 仕事で近くに来たんで寄ってみたんですよ。 今日は旦那さんは?」
隼人は奥さんに近づいて訊いた。
「今、仕入れに行っているんです」
佳純は隼人に向かって微笑みを浮かべながらこう応えた。 このあたりの対応は若妻というより完全な商売人。 隼人はこの時間に旦那が留守であることを常連客とワイワイ飲み明かしているとき訊きこんでいた。 だからこの時間を狙って来たのだ。
「そうなんだ……。 何時ぐらいにお戻りですか?」
隼人は如何にも旦那に用がある風な口ぶりで訊いた。
「う~ん、そうねぇ……。 いつもなら3時ぐらいには戻ってくると思うんですけど……。 何かご用ですか? 帰ったら伝えておきますけど……」
難しいことは旦那じゃなきゃわからないが言伝だけならと口を開く佳純。
「いやぁ、旦那さんがいないほうがいいと思いましてね。 ……実は奥さん、あなたに用があるんです」
「えっ!? 私に!? いいですけど、何でしょう?」
その声色は先ほどと違って何かを期待してか改まっていた。 佳純は不思議そうな目で隼人を見ている。 その美しさはスマホの中の画像とちっとも変っていない。 隼人は懐から彼女の画像が収まってるスマホを取り出し電源を入れ当該画像を目の前に突き付けた。 その途端、佳純の顔色が変わったのを隼人は見逃さなかった。
「奥さん、この女性に見覚えないですか?」
「そっ、それは……」
彼女の顔は硬直し二の句が継げなかった。 今の旦那さんと付き合って以降、彼女はこの事実をずっと隠し続けていたのだと確信した。
「制服姿の深雪さんもいいですねぇ、こんな可愛らしいパンツ穿いてたんだ。 それも行きずりの男にスカートめくって魅せてくれるなんて……。 この画像、旦那に見せたらなんて言うんだろうねぇ」
隼人は少し凄んだ口調で、だが、周囲にそれと気づかれないよう彼女の耳元で小声で囁いた。
母ではなく佳純のような女の子と付き合いたかったが隼人にとって女といえば母のみ。 男としての自信のなさ、卑屈さがいつしかこういった方面に走らせてしまっていた。 女の中身は所詮同じではないか、それを確かめずにはおれなかった。 女の子と遊んでたりすると必ずと言っていいほど母が口出しした。 その子と遊んじゃダメと小声で言った。
その聡子が深夜を過ぎ、こっそり部屋に忍び込み隼人と関係を持つときの、あの何とも言えない緊張感を、今は佳純と名乗ってるこの女にも知らしめてやりたかったのだ。
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