強烈なビンタを張られた聡子

店主のこの言葉に聡子は半べそで言い返してきた。
「やめて、それ以上あの子を侮辱すると許さないわ。 何の証拠があるというの? 第一、もしそれが事実だとしてもあなたに何の関係があるというの? つまらない言いがかりでなじみの客を敵に回すなんて……」
聡子が言い終わるか終わらないかのうちに店主は、聡子のほほに平手打ちを食らわせていた。 息子どころか外でも男を作って自宅近くまで送らせておき、その車の中で情事を重ねた女がである。 店主にとってこの上ないほどショックだった。
聡子は聡子で、いきなり平手打ちをくらわされたのは相当ショックだったようだ。 片手で頬を押さえながら涙をいっぱい貯めた目で店主を見ている。
「悪いが俺は自分の思い描いたようにやるだけだ。 確かにあんたが思ってる以上に俺はチンピラさ。 が、あんたほど根性が腐っちゃいない」
軽蔑を込めてここまで言うと、店主は聡子から躰を離そうとした。 その途端に聡子のヒダが店主を締め付けてきたのだ。
「お願いだからあの子にこれ以上手出しは市内で……なんでもするわ。 お金でも躰でもあんたが望むようにするから……」
そういいながら聡子のヒダは痛いほど店主のペニスを締め付けてきている。
以前観た動画の中に半折れのチ〇ポを壺で締め上げながら扱き、完全復活させヌキ切ったのを拝んだことがあるが、まさかこの女がそんな技の持ち主だとは思わなかった。
「どうしてそこまで息子を庇うんだ? あんただってわかってるはずだろう? 子供子供しててその実、ちゃっかり俺の女房転がしてくれたじゃないか。 まさか自分の子供に、本気で惚れてるなんて言うんじゃあるまいな」
店主は今度こそ本気で訊き返した。 聡子に対する妄想まみれの性欲はとっくに失せている。 しかし聡子のヒダの動きに刺激されてか、ムスコは彼女のヒダの間で元気なままだ。
「本気とか浮気とかって問題じゃないわ。 あの子にはまだ私が必要なのよ。 わかるでしょ? 隼人ほど孤独な男の子はいないわ。 同じ年頃の女の子はそろいもそろって権力とお金に目がくらんで……あの子を良いカモだと思ってる人たちばかり……そんなあの子の心を慰めてあげられるのは、母親の私しかいないのよ」
「よしてくれ、正義感に満ちた母親の顔をするのは……お前のような女にお情け頂戴は似合わないぜ」
店主は舌打ちしながら、腰を引こうとした。 しかし彼女のソコからどうしてもペニスが抜けない。 むしろ奥に引っ張り込まれる感じだ。 佳純のように興奮した状態でヒダが相応にうごめき奥に引っ張り込まれるならわかる。 だが、聡子はここに至って冷静そのものなのだ。
「離せよ。 そんなに隼人とかいう息子が好きなら連日連夜部屋に潜り込み、腰が抜けるほどやってもらえばそれでいいんだ」
「そうはいかないわ。 もし、どうしてもあなたの奥さんと隼人のことを明るみに出すというなら、私は母親としてそれを何としてでも阻止しなくちゃ……たとえ噂でも、そんなことが会社に知れたら彼の将来はズタズタよ」
「当たり前だろう。 行く先々であんたの息子のように店の女を寝取られたんじゃ、その店はやってけない。 ましてや佳純は苦労して口説き落とした店にとって看板、俺の女房だ」
店主には似合わない硬派なセリフが彼の口を突いて出た。 聡子が庇えば庇うほど隼人とか抜かす彼女の息子が憎らしくなってくる。 嫉妬かと問われればそうだとしか言いようがない。 男ならだれでも一国一城の主になりたがる。 店は借金を背負って開店したばかり、しかも自分の店を持つことを餌に女を釣り上げ女房にした。 釣れた魚に餌は……じゃないが、店を軌道に乗せるためわき目も二る立ち働いた。 隼人はその隙をついて新妻の佳純を寝取ったのだ。
修業時代、一度は権力と金、それにいい女を手に入れたいと夢見てきた。 それなりにリスクを背負って今の地位にのし上がった。 その、夢の一角である女を、隼人はいとも簡単に手に入れた。 店主はその、度胸の良さに嫉妬してただけかもしれないと、この時になって悟ったのだ。
「どうせ……長くないわ。 私たちの関係……」
ポツリと、まるで囁くように聡子が言った。
「よく言うよ。 ここを出て、また街を流し男を見つけ、逢引を臭わせ息子を嫉妬に駆り立てるんだろう?」
店主が言い終わるか終わらないかというときになって、妙な音楽がどこからともなく聞こえてきた。 音の発信源はどうやら聡子のバッグの中のようだ。
聡子のヒダがフッと緩んだ。 店主はすかさず腰を引き、聡子の中から引き抜いた。
そこから先は、流石に人妻だった。 店主が引き抜きと聡子はすかさずバッグの中からスマホを取り出し、発信元を確かめた。
「電話するわ。 部屋の奥、借りるわね。 電話中、絶対に変な音出したり声を発したりしないでね」
さっきまでと、まるで違う真剣なまなざしで店主に念を押し、スマホだけ手にし、部屋の奥へと去っていった。
(ちぇっ……聡子ってやつはたいした玉だぜ。 つい先ほどまで俺のマ〇を咥え込んで身悶えてたくせに……もうそんなことはどこへやら、電話の向こうの相手に向かって社交辞令を並べ立てていやがる)
店主は、腹の中で舌打ちした。
今にして思えば佳純と付き合い始めて間もなく、幾度となく今回のような状況に至ったが、常なく佳純は今の聡子のように電話の向こうにいる相手に向かって平然と社交辞令を並べ立てていたのだ。 どんなに興奮していようが、それは同じだった。 回を重ねるごとにインポへの道を辿ったのも、あるいはそれが原因だったのか……が、ここにきて女へのある種の疑念が沸き起こった。 電話の相手が佳純の時もそうなら聡子も躰の関係にあった男かも知れないのだ。 嫉妬以前の問題……人格を疑い始めていた。
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