張りすぎたおっぱい

「そんなこと言ったって……おおよしよし……自分だけ寝てぇ~……ホント勝手なとうちゃんだね」
深夜だというのに、もう2時間近くこういったやり取りを繰り返していました。 嫁いできたときには家族がもろ手を挙げて喜んでくれたものの、子を孕み夜のお勤めが出来なくなったころから夫婦の間に溝が埋まれ、やがて子が生まれるといよいよもって亭主の英雄さんは妻の艶子さんを振り向きもしなくなったのです。
「イタタタッ……痛い!……噛むんじゃなくて吸うの!」
「やり方が悪いんじゃないのか? かわいそうに怯えてるじゃないか」
うるさそうに授乳の様子を見守っていた英雄さん、言わいでもよいことをついポロリと口にしました。
「うるさいわねぇ~、あなたのお母さんが悪いのよ。 あれほど言っておいたのに、ま~た昼間重湯を飲ますんだからぁ~」
艶子さん、結婚当初 その豊満な乳房を英雄さんは喜んで弄びましたが、いざ妊娠となったときそのあまりの乳量に腰が引けてしまってたんです。 英雄さんの母親、つまり艶子さんの義母に当たる方も艶子さんが人並み以上に胸が豊かだったなんて知りません。 親からの言い伝え通り、母親が働きに出ている昼間、せっせと重湯を作っては匙で口に運んでいたんです。
その艶子さん、臨月が近くなるともう既におっぱいが染み出しブラでは受け止めきれなくなりました。
「ちょっとぉ~ 艶子、あんた制服の胸のあたり……、それっておっぱいが洩れてんじゃない?」
「えっ!? わかる!?」
「そりゃあわかるわよぉ~ いくら紺の制服だからって……足立さんなんか脇を通るとき変な目で見てたわよぉ~……おおイヤだ!」
艶子さん、臨月を控えこうなって初めてブラの内側に魅せブラ用のパットを入れて溢れ出たおっぱいを吸わせ誤魔化しました。 ところがそれが2枚になり3枚になっても支えきれなくなったのです。 終いにはトイレに駆け込みトイレットペーパーを隙間に挟み誤魔化さないことには上着どころか下着まで濡れるほどになってしまったんです。
出産を終え授乳が始まるとコトはもっと深刻になりました。 盛りブラなど何の役にも立たず、胸にサラシを巻いて、内側にガーゼをたっぷり押し込んでおかないことには溢れ出たおっぱいで、まるで雨に打たれた直後のようになってしまうのです。
こうなっても艶子さんは休むことなく出勤し続けました。 ひとつには家計を支えるためでもありましたが、もうひとつには男性群に自分を認めさせることにありました。 休んでる間に地位も職も追われることが何より怖かったのです。 しかし、この無理が祟り就業時間が迫ると微熱が出るようになりました。
「おい、艶子。 今日は早出じゃなかったんか?」
旦那に寝起きが悪いとがなり立てられるんですが、起きようにも起きることが出来ないんです。 39℃を超える熱で全身鳥肌が立つんです。
「なんだ、風邪でも引いたんじゃないんか。 しようがない奴だなぁ~、よし、子供と一緒に実家に行って、あそこで面倒見てもらえ」
お気楽な英雄さん、妻の艶子さんと子供を母親に預け、自身は釣りに出かけるつもりで用意していたんです。
「英雄や、急いで産婆さん呼んで来い。 ありゃ風邪じゃのうて乳腺炎じゃ、手遅れにならなきゃええがのう……」
嫁の里から預かった大切な躰、万が一これがもとで……。 そう考えると肝が冷えたのです。
産婆による療治は長時間にわたって続きました。 腋に瘤状のしこりが出来た、それを丁寧に揉み解し溜まったおっぱいを絞り出さねばならないからでした。
「本来ならのう~ 旦那さんが吸ってやるのが一番だにのう……」
困ったものだと産婆。 が、気の強い艶子さん、産婆から預かった搾乳機を使い絞り出し、それを真空パックに詰め替え義母に渡したんです。
「ヤレ困ったもんだ脳……おっぱいが臭くてあの子は飲まん……どうしたもんかのう……」
捨てるわけにもいかず、さりとて飲んではくれず、いよいよもって困り果てた義母。 しかしそのことを知った職場の、それこそ女好きの男どもは秘かに艶子さんを、機会があればおっぱいに吸い付こうと狙うようになっていったんです。
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