長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第41話 Shyrock作
一足お先に
球が頂上を極めた頃、俊介もまた限界に来ていた。
幹全体が岩のように硬くなり今にも炸裂しそうな気配だ。
男の波は女の波とは異なり、突然稲光のような鋭い鋭角を持ちながら忽然とやってくる。
球と抱き合っていた俊介は上体を起こして球の両膝を抱え込み、フィニッシュの体勢に入った。
密着型正常位は気分が高まるし一体感があって良いのだが、男の律動が緩慢になってしまう弱点がある。 男は達する瞬間だけでもギアをトップに入替えてピストン速度を最高値に高めたいものだ。
俊介は球の膝を抱えて激しく律動した。
先ほど一度は絶頂に達した球であったが、俊介の猛烈な蠢動により再び激しい快楽が球を包み込んだ。
俊介「うっ!ううっ!うぐっ!おおっ!うぉお~~~~~~!!」
堪え切れず雄たけびをあげる俊介はまるで獣のようである。
発射する寸前、俊介は可能な限り奥に突き込み激しく揺さぶった。
まもなく怒涛のうねりが俊介を襲い、球にも分かるほど強い痙攣に見舞われた。
発射した後の達成感と脱力感・・・二つが気分が混在し絡み合っている。
抱えていた球の膝から手を放した俊介は球の胸に覆いかぶさった。
球はまるで恋人にするように俊介の髪をやさしく撫でてやった。
男はこう言った瞬間に女の本質を知ることがある。
人間は行きつく所、言葉よりも行動なのだから。
行動は時として言葉以上に心を伝えることができる。
(チュッ・・・)
俊介は球の中に挿入したものを抜かずに、球をそっと抱きしめくちづけした。
球もさりげなくそれに応える。
俊介「すごく良かったよ」
球「にゅう、わたしも・・・」
一言交したあと再び唇を重ねあうふたり。
もしふたりを知らない者が見たら、ふたりのことをきっと恋人同士だと思っただろう。
それほど自然な仕草であった。
そんなふたりの耳にありさたちの艶やかな声が聞こえてきた。
◇
ありさはソファの背もたれ部分に両手をつき、尻を高々と上げた格好で浩一に攻められていた。
先に終えてしまった球たちは肌を重ね合ったまま、ありさたちの揺れるシルエットを見守った。
(ゴクリ・・・)
自分たちの恋人がそれぞれの相手と演ずる生々しい情景。
嫉妬とは少し違う奇妙な感覚が球と俊介を包み込んだ。
(パンパンパンパン)
浩一が腰を動かすたびに、ありさの尻が乾いた音を響かせる。
まるでスパンキング中と錯覚を起こしそうな後背位特有の打撃音。
ありさ「にゃっ、にゃっ、にゃっ、浩一ぃ~、ふはぁ~、すごいよお~」
浩一「はぁはぁはぁ~、球と俊介はもう終わったみたいだ。オレたちもがんばらなくちゃ」
無我夢中になっているようでも、浩一はちゃんと球たちの行動を捉えている。
ありさ「え~?向こうはもう終わったのお~?球はイッちゃったのお?」
浩一「いや、そこまでは知らないよ」
ありさ「やんやんやん~、ありさもイキたい~」
浩一「よ~し、じゃあ、高速ギアにチェンジするぞ~!」
ありさ「ん??」
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