スーツケースひとつ提げ、田舎の駅舎に佇む女
勉強机に向かっていた海人は、家人に気付かれないようそろりと窓を乗り越えヒラリと地面に飛び降りた。 物陰で何かがゆらりと動いた。 母のなつきだった。
「ごめんね、勉強の邪魔だったかしら…」
消え入るような声で語り掛ける。 夫 健太郎の機嫌を損ね、久しく家に寄り付かなかったなつきが、どうしても今一度息子の海人に会いたくて駆け付けていた。
お隣の樋口家の秀樹をと思わないでもなかったが、樋口家ではあれ以来見張りが厳重で近寄れなかったのだ。
「ごめんね、こんなとこで……」
母のなつきが海人を連れ込んだのは廃屋だった。 付近に人に見つからないよう貪り合うには、それも手元不如意の今となってはこれしかなかった。
なつきは息子のために…というより、自分のために下着を脱いだ。 繁みを露にしたまま柱に手を突き、指を使って広げて魅せ、海人を女陰に誘い込んだ。
海人はなつきが声を震わせ同級の秀樹と交尾を繰り返しているのを間近で見ている。 肉と肉の隙間から白濁した母の、ヨガリ狂った体液が溢れ出てくる様を見ている。
秀樹のチ〇ポに睨まれると、女の本性剥き出しにし、まるで孕ませを思わせるが如く自分の方から詰め寄りまぐわっていた。
(…あの時と同じだ……俺をバカにしやがって……アイツめ…あの女め…)
そのアイツと、今母がやっていることは似通っているように思えた。 ある瞬間まで清らかと噂にまでのぼったような生活を送っていた母のはずなのに、アノ瞬間から代わってしまった。
たまたまではあるが、変態的な行為を強要されたりすると、途端に本性を剥き出しにする。 こういった人を指し「感情の浮き沈みが激しく、心が不安定な状態である人」というらしいが、彼女(海人をフッた女子〇生)もそうなら母のなつきも、海人にとってそう思えた。
そのなつき。 荒ぶる性を鎮めてくれるはずの秀樹や海人に近寄ることが出来なくなると、今度は街に出て出逢い系に手を染めた。 彼女がターゲットに絞ったのはこじらせ童貞。 金銭面は別として、秀樹や海人のような年下くんを味わえる可能性が高いからだ。
童貞が相手なら、沙也加のような手技は必要ない。 エッチな性格でありさえすればコトは足りる。
さつきはだから、相手に恋の予感をさせるべく、年齢を誤魔化した。 今日にいたるまで沙也加と違い、化粧らしい化粧はしてこなかったなつきだが、コト今回に限ってはばっちり決めてきていた。 年齢を偽りたいがためだ。
男性側が名乗らないうちに女性側に年齢を問うなどということはまずないとみて、相手の言葉に中から釣り合いの取れると思える年齢を瞬時に割り出すことで話しを合わせるようにした。
たまたま最初に彼女とそういった関係になりたいと考え近寄って来た男性が息子の海人と同様、学生時代それなりに爽籟を思い描き付き合って来たと思っていた女性が、ある日突然違う男性と躰の関係を持ち、あれよあれよという間にまた別の漢と結婚に至ってしまって女性への、拭いきれない不信感が募り、もうそこいらの女とは肉体関係に進めなくなったというのだ。
幸と言おうか不幸と言おうか、たまたまふたりは誰とでもいいからハメたくて、相手探しをしている最中だったのだ。
「…で、気が付いたらこの年齢になっていたんです」
「ああ…そうなんだぁぁ めっちゃイチズ……」
もうこの段階でなつきは、この漢を試したくてしようがなくなっていた。
(うわぁ~ めっちゃいい! タイプやわぁ)
意を決し、連れ立ってラブホに入ったが、なつきもそうなら相手の漢もラブホは初めて。 ベテランぶってもなかなか前に進まない。 そんな中にあってなつきは、どういったヤリ方をこの人はしてくるのか興味がわいた。 タイプ、心の中でそう思いながらも、そこはじっと耐え、話しを聞いていく。
「それでですね……女の人と上手くいくようになったらって言うか……そのう……」
先ほどまでの勢いは何処へやら、肝心な部分になるとしどろもどろになってしまった。 どうやら彼の希望は、あくまでも自分をフッてくれた、アノ彼女を相手に童貞を卒業したいらしい。
「そんなこと言ったって、相手は結婚してしまったんだから、しようがないじゃない」
暗い話しになりそうなのを、なつきは口調もそうなら声音、表情にまで朗らかさを絶やさず会話をつなげていく。
「…そうなんかなあ……女の人って……そういうことを割り切って考えられられるんだ……」
逆効果とは、こういったことを言うのだろう。 恨みがましそうにこういう彼に
「次にいい人が見つかったら、それまでの恋は忘れることが出来るわよ。 ウチはそう思うんだけどなぁ……」
言い終わるか終わらないかのうちに彼女は、ごく自然に衣服のうち、上の一枚を脱いだ。 逆ナン
その約束で来ていた彼の、苦悩に満ちた表情がここで変わった。
「自分の方から責めたいヒトが現れたら…もしもよ、現れたとしたら、責めれますか?」
そっと彼の手を取りこう口説き、言い終わる頃にはなつきの方から持ち掛け指を絡ませあった。
「もっ…もちろんです」
意気込んでくれたところで、次のように言葉を、彼の手の甲に向かって指先全体を使いさわさわと意味深なタッチで触れながらかけた。
「じゃっ……シテみますか」
決断を迫ったんじゃなく、それは命令に近かった。 なんとなれば、ラブホ代も心もとないのに、時間だけが刻々と過ぎていたからだ。
「…ああ……イイですけど……でも、どうすればいいか……」
正直な回答だった。 迫るどころか、並んで座っていたソファーから立ち上がって何処かに行こうとする。
「ああ…じゃあ……ホンバンってヤツに入りますんで…」
マ〇コス風な口調で彼女がエッチを迫ろうとすると、更に一層ああとかううとか言いながら逃げようとした。
「そのままでいいんですんで」
向こうに逃げられないよう彼の手を取ると、なつきは自分の方から彼の唇を求めた。 あっ、と声を発しながらも根がヤリたかったのだろう、なつきの唇を受け止めるこじらせくん。
2~3度唇を重ねた後で
「ふふふ、どうですか?」
優しく問うなつきに
「ドキドキですが、いい気持ちです」
言葉ははきはきしているものの、おどおどした態度で応えるこじらせくん。
「フリーランスが長かったんでしょうから、それを取り戻さなきゃね。 どう? もっとキスしたい?」
付き合ってた彼女にハメることが出来なくて悶々としてたでしょうから、もっともっとヤリたいでしょ? と、問いかけるなつきに、ああとかううとか応えるこじらせくん。
「じゃあウチが舌を伸ばしてんだから、あなたももっと舌を伸ばしてください」
目を半分閉じ、おずおずと伸ばしてきた舌に、自らの舌を絡ませた。 なつきの舌の感触に夢中になってる隙になつきは、彼の股間をまさぐって、雄々しくなったモノを扱き始めていた。 その手の向かってこじらせくん、ギュンギュン漲らせる。 なつきも、自然と目が潤んだ。
ズボンのボタンを外し、ファスナーを下げ、トランクスのゴムの部分から先っぽだけ取り出すと、お相子とばかりになつき自身も上着とスカートを脱ぎ捨てた。 パンチラどころかモロパンだ。
「ふふふ、触っちゃおうかな」
先ほどまで扱き上げていたくせに、如何にも未婚の女を装って彼の足元に跪き、物珍し気にトランクスに手をかけるなつき。
「あああっ ちょっ ちょっ ちょっと……それは……」
肝心のなつきが未だにパンティを身に着けたままでいる。 自分だけ恥をかくのは嫌だったのだろう。 恥ずかしさに言葉に詰まるこじらせくんの、漲ったチ〇ポをなつきは手に取り
「うわあぁぁぁ……すんごい! ギンギンやぁぁぁ……」
満面の笑みを浮かべ、早速擦りにかかる。
「へぇぇぇ……こんなに勃つンねんな……やっぱ ウチ、初めてやから?」
扱き上げつつ、未だ身に着けたままになっている、クロッチの部分がわずかに湿ったソコに先っぽを意味深に近づけ擦り上げるなつき。 ビクンビクンするこじらせくんの上体に、ブラを付けたままの躰を添わせ乳首を舐めにかかるなつき。
男女の、初エッチに望む度胸試しは続いた。
それまで考えたこともなかったこじらせ漢の腋臭の匂いがなつきの鼻腔をくすぐった。 漢の体臭になつきの中のオンナの部分が反応する。
余裕で擦り上げていた肉胴を握る手が、ともすれば止まりそうになる。 とうとう観念し、なつきはブラとパンティを脱いだ。
脱ぎ終わると、こじらせくんの顔を跨ぎ、アソコを押し付け、擦って来た肉胴を口に含んだ。 彼は元カノのことを忘れたかのように、夢中になって舐め上げてくれた。
結合は騎乗位で始まった。 なつきが散々甚振ったこじらせくんのチ〇ポを、指で摘まんですっかり濡れそぼった蜜壺に持っていく。
乳房に手を伸ばし、期待に躰を固くするこじらせくん。
「ああっ あああっ 」
ガラガラ声を張り上げ、感動を表現するこじらせくんに、なつきは腹上で悠然と腰を振りながら
「ふふふ、これでもう、童貞じゃなくなっちゃったね……どう? 気持ちイイ?」
意地悪気に訊く。
気持ちイイか、だの。 どう? いやらしい? だのと、余裕の表情で訊いていたが、やがて余裕を失っていったのはなつきの方だった。
「どう? ヤバい?」
言葉がだんだん単純になっていき、やがてなつきは鼻に抜けるような声を発し始める。 どうやらイキ始めたようなのだ。
上体を立てて騎乗に臨んできたころまでは余裕を魅せていたが、相手を責め、その相手のチ〇ポが極致まで腫れあがると、とうとうこじらせくんの胸に突っ伏し、荒い息を吐き始めてしまっていた。
誘惑し始めた頃、こじらせくんに責めてみるかと質問を投げかけていたはずで、彼はそれを忘れていなかった。 突っ伏して動けなくなったなつきを腹上から優しく降ろすと、期待に応えるべく四つん這いにさせ、背後から責めかかった。
なつきとしては子宮に響くエッチのはずだったが、それはそのままこじらせくんが夢にまで描いた、遊び女への仕返しとなった。 なつきの、躰をしならせての懇願が始まってしまっていた。
暁闇に至り、なつきはベッドで目を覚ました。 彼の姿は室内から消えていた。 枕元にお礼のお金と、実家に帰るゆえのメモが残されていた。 こじらせくんは、なつきに語って訊かせた元ガールフレンドを追って実家のある田舎に向かっていた。
なつきによく似た女が田舎の駅舎にあった。
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アップデート 2024/02/21 12:45
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