【知佳の美貌録】高原ホテル別版　艶本「知佳」

　それまでの恵子は、
どこそこで、誰彼が秘かにつるんでいると聞けば、何はさておき覗き見に出かけたくなるほど男と女に尽きない興味があり、誰でもいいから挿しつ挿されつしているところを鑑賞したくてたまらなかった。

　そんなあたしは、人として特別厭らし女だと卑下したことも何度もあった。

　村では何年年が過ぎようと別段変わったことがないだけに、とかく色恋については噂好きで、恵子のいうところの惚れた腫れたについての鑑賞云々などという浮いた噂だけはよくあった。

　周囲のものは恵子のこういった趣味といおうか性格を知っているだけに、この種の話しをよくしてくれる。するとたちまち……

　「すごい！強烈……」 観たい！となる。　行かないように耐え忍べば耐え忍ぶほど欲情が増すのだろう、それこそ何も手につかないほど惑乱してしまって、トイレに駆け込む。それを面白がった。

　結婚に至って、いや、結婚にまでに至らなくても同棲したり、将来結婚したいと考える男性がいたりしても、都会ではみんな多少なりとも別の人と付き合っていると聞かされるのに至り、いよいよ都会とは変態の集まりのような感覚で捉えてしまった。

　大人が付き合うということは、必然的に肉体関係がそこには存在していて、むしろ本命より脇役の方が欲情を満たす意味では、回数もやり方も濃かったよと、言わなくてもよいことまで教えてくれた。

　しかもその変態行為を、時として友人たちと教えあい、あからさまな言葉を使って相談し、場合によっては相手を交換したり密かに具合をみたりもすると聞かされた。

　交換をやらかそうなどという飛び跳ねるような妙ちくりんな気持ちになると、彼女らは何となくやらかしている場所などの情報を事前に入手しておいて、絡み合う様子を彼同士交換してくれる前に覗き見に行く、そうやって鑑賞したことで彼女らなりに嫉妬にかられ交換してもよいとさえ思えた冷めた関係が本末転倒になって修復したり、逆に噂話以上に気に入って相手を完全に交換したりリザーブ用に寝取ったりもするとか……。

　それもこれも、もっと強い刺激を求めたくて、何食わぬ顔をしながら、平日昼間から気を張って、ただ歩いているだけに見せかけ、実は新たなセックスの相手を探しているとも聞かされた。

　それであっても夫婦双方が不倫していると知っていて離婚しないのは、ひとつは世間体、もうひとつは、女性は暮らしていく上で必要なお金の工面があるから、あえて離婚しないとも。

　浮気がバレたら泣きついて詫び、或いはこれも夫への嫉妬心を呼び覚ますための浮気だったと本気をちらつかせ告るなど、様々な技を使いつつ数か月・数年ぶりかで身体を貪り合ったなどということも珍しくないという。

　和子によれば都会では、もはや夫婦と呼ばれるものは家族も含め、その時々で相手が入れ替わるのが普通で、浮気好きの恵子にしてみれば都合の良い暮らしといえた。

　それでも、そのような胸のあたりがキュンキュンする「交換」という行為が盗み見の中で実現出来たら、毎日、あの逝くという感覚を何度でも味わえると思ったようだ。

　和子の言う、交換には法の元男女平等の原則があるようにも思えた。
だが、この時の橘夫妻は、だれが見ても男女の間に不平等と言おうか優劣があった。

　男性群からみても、嫉妬にかられる新鉢を割るための行為を橘の当主はやらかしている。

　許可を得たとはいえ、懸命に未通に挿し込む犯罪者の夫が勝ち組なら、その夫を未通ごときに盗まれ、行為を鑑賞させられることによって、不覚にも嫉妬にかられ、おっちゃんの充血したものでこね回してもらい、それで耐えているが恵子が負け組とみて間違いないように村人には、特に男連中には思えた。

　和子の言う、彼・夫以外の男、ボーイフレンドを持つ理由とは、夫がもしも他人棒で貫かれ悶え苦しんでいる妻を覗き見したら、妻を女としてみてくれなくなったはずなのに燃えてくれることになる。そこには禁じられた愛、不貞という快感につながり易い行為があるからだという。他方、女が勝ちと決めつけた意見では、恵子もそれなりに楽しめたのだから、それでよかったのではないかと。

　グループ旅行し、相互の交流を深めるなどは、時として密かに交換の上睦み合うこともままあることからこの典型ではないだろうかと教えてくれた。

　女が萌えてくれ、彼や旦那にとって大事なところを差し出してくれるから、男も溜まりにたまった膿を吐き出すために貢ぎ物ができるというもの。

　「主人が忠学生の女の、未通のアソコを割るのを見せ付けたってことが、和子が言うところのグループ旅行なの？」 女が許可してコトがなったのかと聞いた。が、……

　今回は恵子が疑問を呈す通り確かに立場が逆で、役立たずと決めつけていた旦那は立派に新鉢を割ったわけで、恵子の方こそソレを激情に駆られたくて秘かに覗き見ておっちゃんに、はたまた爺様に抱かれている。

　男どもに覗き見させ興奮の極に…… が憧れのはずだったのに、なぜか覗き見してしまった自分のラビアが疼いて溢れかえる不思議。

　どうにかしてほしい感覚に、つい、おっちゃんの生を、「たっぷり出してくれる」 条件付きで受け入れてしまって腰、更には襞を無意識に使ってヌクべく扱いていた。

　それでも負けは負け。
だが、こんな所にも勝ち負けはあった。

　恵子の元夫が我慢に辛抱を重ね、やっと根元まで挿し込んでゆっくり腰を使い始めたころ、人妻を寝取ってやろうと萱の原に迷い込んだおっちゃんこそ人妻どころか目の前やらかしている　その新鉢に気持ちがいき始めていて、上にのしかかる男が今まさに射出体制にあることに我慢できず、自分こそ交代し新鉢へ射精したく、しかし先客は交代してくれそうになかったことから仕方なくどうでもよくなった恵子の中に勢いよく発射してしまっていた。

　恵子も悪かった。
嫉妬に狂って、膣を押し開く肉胴・亀頭冠をこの際誰でもよくて、つい本気になって襞やワレメの入り口で嬲っていたからだ。

　普段から持ち合わせていた卑猥な意識が夫の勃起が挿し込まれた場所、受け取る忠坊の恥骨や腹部に嫉妬心から集中してしまい、おっちゃんが苦し紛れに引き抜くタイミングを忘れ、肉を切り裂こうとした、その切っ先の味に酔ってしまっていたからだった。

　息が上がって横臥したおっちゃんを休ませることなく騎乗し、萎えたペニスをワレメで擦りあげ、勢いを呼び覚ましてそのまま強引に挿入させ、乳房をおっちゃんの胸に押し付けた時、無防備に掲げたお尻に妙な感覚を覚えた。

　誰かが後ろからのしかかってきたような気がした。
次の瞬間、まるで嘔吐するような感覚が全身を襲った。
無防備になったアナルに爺さんの年季の入った黒々としたモノが突き刺さっていたからだ。

　初アナル、膣に挿入されたおっちゃんの亀頭と爺さんの亀頭が #襖一枚隔て 擦れ合う。
Ｇを裏から突かれ、同時に子宮頚部をノックされ、意識が宙を飛んでいた。

　ふた組の情交が始まってしばらくは、橘家の主を迎え入れようとしていた忠学生側が優位に立っていた。

　それが気が付いた時にはこちら側こそ優位に立っていて、しかも、一匹のメスに複数のオスがのしかかる乱交に転じており、明らかに元夫こそ、見学させられる立場になってしまっていた。

　〈 本当に形ばかりの夫婦って、いたんだ。恵子には、あんなに胤つけたがる男どもが…… それに比べ…… 〉

　期待したほどの毒々しさがないことに、少々がっかりしたが、まさか目の前で元妻が寝取り２穴乱交にまで発展しまぐわうには物足りなさを感じる忠学生への性教育をも繰り広げてくれるとは思わなかった。

　〈 そうか……　あれが友達の言っていた父と母の厭らしいまぐわいってヤツか……〉

　確かに処女喪失は粘膜をキリで突かれるような痛みを伴った、友達の話とはずいぶん違う初体験だった……　はずが、いつのまにか橘の肉胴にたっぷり液をまぶしつけるほど感じ、濡れそぼってしまっていた。

　「おまんこって、こんなに厭らしくて気持ちいいものだったんだ。だから家族の目を盗んで……」

　昼間は散々けんかしていたくせに、夜になるとみんなが寝静まった夜更けに母親が変な声出して父親を迎え入れるんだ。

　「いろんな男の人が入ってきてくれたら、恵子さんみたいに燃えることできるかも」

　萱の原にふたりの女が奏でる喘ぎ声が響き、男どもがリズミカルに音源に向かって腰を打ち付けている。
先に女への腰に強く打ち込みを始めたのも、動きを止めてしまったのも未通の方だった。
自身が相手をしている女もだが、後ろで侵略されている女房が気になって仕方がなかった。

　「待ってろ、耐えるんだ。今すぐ仕込んでやる」
橘は射出後、すぐに引き抜き、濡れて光るペニスを恵子に向けた。
恵子への他人棒の仕込みは、それでもなお、橘の棹を無視して延々と続いていた。

　終わりを告げたのは、太腿の間から血液をにじませながら忠学生がまじまじと覗きに来た時だった。
アナルを責めていた爺さんが、いきなり引き抜いて忠学生を押し倒し、太腿を割った。

　爺さんの欲望は厠の垂れ落ちるシルを舐め、いつか貫いて……と恵子への寝取りを念じた時より、新鉢の方がうんと強かった。
己の亀頭冠を使って、今注がれたばかりの体液を、すべて掻き出して、新たな液を注ぎ込んでやりたい、

　「胤がつくまでに、まだ少し時間はあるはずじゃ」
これを見て、慌てたおっちゃんも、恵子から引き抜くと光り輝くペニスを忠学生の唇にあてがい、未発達の乳房に吸い付いた。

　「おなごは最も強い牡の胤を宿そうとするそうな」
許可もくそもなかった。
目の前で展開されていた卑猥さに忠学生が酔いしれ欲情しきっている間に、ありったけの精液を未通に注ごうと懸命に押し広げていた。

　逆に橘は、放心して横臥する恵子のラビアを開き、中を覗き込んでうなったまま動かない。
「儂が忠坊にうつつを抜かして居る間に孕まされてしもうた……」

　夫の気配に気づいた恵子、
「あらっ、あなただって未通を割って、熱い想いをしっかり届けたんでしょう？ちゃんと認知してあげてね」

　お前はどうなんだ？
「あの、長距離野郎が認知してくれるっていうんか？」
「だって～、家を出てから半年以上経過してたっけ？それとも生まれた子のＤＮＡ調べるとでも？」

　弁護士や裁判所が関わったら、それこそ……、
「儂はそんなことは一言もいっとらんぞ。生まれたら認知するに決まっとる」

　そうでなくちゃ、手が後ろに回る。
「由緒ある家柄に……でしょ？」

　橘は、そこから先は黙秘した。
忠坊は爺さんとおっちゃんに射出を交代させながら幾度も受けていた。

　爺さんもおっちゃんも、溜まっていたことは確かだったが、忠坊はそれ以上だったとみえ、飽くことなく抱かれ、男どもをすっからかんに抜いて開放してやり、ようやく納得しエッチを終えワレメをしまった。

　「恵子さんて、あんなにエッチ好きだったんだ……」
「人のこと、言えないでしょ？」
「ふふっ、でもさぁ～……　男の人ふたり相手ってのさぁ～　超っていうか、マジ凄かった！！また見せてくれる？」

　甘えた声で聴く忠坊に、
「儂しゃ、ええけどなぁ～」
爺さんの一言に、一同大笑いして解散となった。

　恵子は橘のうしろに従って家路に向かい、
トレーラーはとみれば、方向転換する場所も考えずに、ただ恵子とハメたくて、狭い農道を遮二無二突っ走ったのもだから、延々爺さんの迷惑な誘導でバックしなければならず、何度も田んぼに脱輪しながら、這う這うの体で帰っていった。

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