知佳の美貌録 「ヒマワリベーカリー後遺症」 通い妻

「今夜も行っていい?」 仕事終わりに店の奥の部屋から電話を掛ける久美
「うん、いいけど。 でもどうして? 無理しなくていいんだよ」 気持ちとは裏腹にすげない返事を返す男
「無理に来てるんじゃない、ただ気になるだけ」
蒲生孝志と名乗るこの男と久美が最初に出逢ったのは乾物屋と別れた帰り道ででした。
「疲れた、もう歩けない・・・ それに、ここどこ」
歩き疲れ、自宅の方向を見失い いつの間にか県住団地に迷い込み、茫然自失になり縁石の縁に座り込んでしまった久美に優しく声を掛けてくれたのが彼でした。
「あの~ お見かけしないヒトだけど、最近引っ越して来られたんですか?」
「あっ 違います。 ごめんなさい。 帰り道判らなくなっちゃって・・・」
「ええっ!? 住所何処? 何処から来たの? 送ろうか? っても俺車ないし、困ったなあ~」
「〇〇市の〇〇店って知ってます?あそこから歩いて、でも大丈夫、少し休めば・・・方角さえ判れば歩いて帰れますから」
「信じさんない!! 人間業じゃないよ。 ひと昔前の人ならいざ知らず。 それじゃクタクタでしょう?俺の部屋に来ません? 疲れてるだろうしこんなとこで休んでたら・・・ あ~あ汗びっしり・・・風邪ひいちゃう」 慌てて手に持ってたタオルで首筋辺りの汗を拭いてくれる彼。 彼の名は蒲生孝志さん
職を失い、収入源を絶たれ妻に逃げられ八方ふさがりになりながらも優しい心を絶やさなかった孝志さんの小さな気遣いに久美は救われたんです。
そんな彼の元へあの時お世話になったお礼を兼ね何か手助けになればと通い始めたのが始まりでした。
きれいに掃除がしてあり女性ものの衣服やら靴やらがあちらこちらにあるものの女性が居るような生活感がまるで伺えないんです。
「お邪魔だったんじゃない? 奥さんいらっしゃるんでしょ? 今日は留守なの?」 恐る恐る聞く久美に
「いません。 もうずいぶん前に出て行ったまま帰って来ません」 つっけんどんに、しかし何処かもの淋しそうな顔で応える孝志さん。
「ひょっこり帰っていらっしゃるかもしれないと、こうやって荷物置いたままにしてるんだ」 いらない質問してしまったバツの悪さに咄嗟に表面を繕う久美、すると
「お金が無いんです。 処分するにもお金が必要でしょ? そんなお金どこにもないんです。 生活保護申請だって正式に離婚してないから通らないし・・・」 泣きそうな顔でこう応える彼。
彼が職を失うきっかけになったのは長時間勤務に耐え切れなくなり心身猛弱状態に陥り業務に支障をきたすようになり上司の勧めで疾病休暇を取ったのが始まりだったそうです。
「そんなひどい勤務を? 自分で進んでやってたの?」
「うううん、命じられたことを朝早くから出て来てやってんだけど、深夜になっても終わらなくて・・・」 つくづく能力無いんだなって・・・
自信を失ったのがきっかけで鬱状態になってしまったらしいんです。
家のローンが残ってるにもかかわらず、一向に病状は良くならず入退院を繰り返すことしばし、ついにしびれを切らした会社側が子会社への出向を命じてきたんです。
配膳が終わり食べ残したものを片付けようとしたときです 「それでどうなんだ? 調子は」 思いがけない上司 宮田の顔がそこにありました。
「・・・はい、昼間でも時々さっき何をしてたか覚えてないなんてことが・・・」
「そうか・・・ そこまで・・・ 入院しても効果無しか。 悪いけどな~ 会社も臨職を何時までも雇うわけにはいかないんだ。 俺の立場分かってくれるな」 疾病休暇を取れと言ってくれたのが彼だったからかもしれません。
「お任せします。 よろしくお願いします」
悔しかったんですがここは頭を下げるしかありませんでした。
待遇が一変したのは通知が来たその月からでした。
給与支給日になっても口座に振り込まれてこないんです。
問い合わせてみると下請けの給与日は本社と同じと言うわけにはいかないし、ましてや疾病休暇、出すべきか更に減額すべきか首脳部で会議が行われているとのことでした。
身分は保証するというのは真っ赤なウソだったのです。
罠でした。
出向先では支社で築き上げた職域は通用せず平に格下げされたんです。
しかも疾病休暇ですから下請け会社の給与規定に基づき新入社員給与の6割しか頂けず、むろん賞与などというものは一切なくなり預貯金を切り崩しても家のローンが払えなくなっていったんです。
「大丈夫よあなた。 良くなればまた元の職場に復帰できるんだから」 優しい言葉をかけてはくれるものの生活費の殆んどを妻は実家に無心して出してもらってることはとっくに気づいていました。
「この上は無駄飯を食わないようにしなくちゃ」
自ら進んで、病気のせいにし食を細らせました。
みるみるやせ細っていく孝志さん。 夫婦性活など望むべくもなくただただ虚しいだけの日々が過ぎていきました。
「ウチは平気よ。 それにね、この家ちょっと贅沢過ぎたような気がしてたの」
どこか安いお家を探しそちらに引っ越しましょうと持ち掛ける妻 幸恵さん
妻の言葉に従い家を手放し県住に移り住んだ孝志さん。
理想と現実のギャップに耐えられなくなったのは孝志さんよりむしろ妻の幸恵さんの方が先でした。
幸恵さんはず~っと専業主婦で通して来られたんですが、県住に移ってからというもの一切の家事をある日の朝から突然しなくなったんです。
「おい幸恵、飯はまだか? 今朝から何にも口に入れてないんだ。 腹減ってな」 時刻は既に夕方近くになっていました。
「わかってます! そんなこと言われても、お金なくて冷蔵庫にはもう・・・」
「そうか・・・ 悪かったな」 その日は空腹に耐え横になりました。
ところが孝志さんが寝たふりを装ってると、こっそり起きて来た幸恵さんがきれいな服に着替えどこかに出かけて行ったんです。
帰ってきたのは翌日のお昼近くでした。
そればかりか、お金がないというのに暇さえあれば出歩くようになりました。
そしてある日、妻の幸恵さんの姿が忽然と家からも団地からも消えたんです。
「おい! 幸恵! 変だな~ 何処行ったんだ?」
生活は妻の幸恵さんの実家頼みでしたから孝志さんはただオロオロするばかり
空腹では悪いことしか思い浮かばないと団地の近くをとにかく捜し歩きました。
歩くだけでも眩暈を引き起こす孝志さん、食事もままならなかったんですが病魔に鞭打ち一生懸命幸恵さんを探し回ったと言います。
ようやく妻らしき女性を見つけ、声を掛けようと近寄って行った孝志さん。 みると彼女の脇に疾病休暇を勧めてくれた あの上司がいたんです。
「あいつ・・・ なんで宮田さんと一緒に居るんだ? しかもこんなところで」
つい最近知り合ったとは思えないような仲睦まじさに疑念を抱かざるウェなかった孝志さん。
そのことが余程ショックだったんでしょう、その場で気を失い救急搬送されてしまったんです。
「目が覚めたかかね? こんなキツイ薬呑んで歩き周ってちゃ気を失うのも無理ないね」 救急に当たっていた医師は孝志さんの血液検査の結果リスパダールという薬の成分が検出されたというんです。
「先生、そんな名前の薬なんか飲んだことありません」 言い返すと
「それはないだろう。 この薬は余程重篤な精神疾患の患者にしか処方しとらんよ」 こんなこと医学の常識だと言わんばかり
何のことはない、よくよく調べていくと上司と妻が組んで長期にわたり孝志さんに上司の認知症と精神疾患を併発した親が服用していた薬を横流しし、食事に分からない程度混ぜ妻 幸恵さんは夫 孝志さんに供していたことが分かったんです。
でも彼は妻の幸恵さんを責めたりしませんでした。
信じていた両親に裏切られ企業戦士と結婚するしかなかった幸恵さんは、長い間自分の気持ちを抑え込み孝志さんに尽くしてくれたからです。
「そうか、何時からか知らないが幸恵のヤツ宮田とデキてたんだ!」 それでもあれほど尽くしてくれた愛する妻を寝取られたことが信じ難く、何度も何度も物陰に潜みつつ後を追ったそうです。
「それって、ひょっとして幸恵さん宮田とか言う人にお金の無心に行ったんじゃない?」 夫に何か食べさせてあげたくてお金を借りに行く。 主婦なら当たり前の行動です。
「最初はそうかもしれんな、でも宮田のヤツ事あるごとに幸恵を褒めちぎってたんだ。ヤツは前々から幸恵を狙ってたかもしれん」
「決定的な証拠掴んだんですか? 奥さんと宮田って男の・・・」
「うん、宮田のヤツ プライドだけは高くてな。 ある日の午後、営業で市内を回るフリし全〇空ホテルに仲良く手を繋いで入っていったよ」
「でもそれってお茶とか レストランでお食事とか・・・」
「いや・・・ 朝まで付近で見張ってた」 嫉妬の深さが伺えました。 おふたりが出てこられたのはお昼近くだったそうです。 しかも人目もはばからず宮田とか言う人の腕にしなだれかかるようにしながら奥さん さも嬉しそうに・・・
世の中の仕組みが分かったことで人生そのものの見方が一変したと久美に語ってくれました。
男と女がふたりだけの時間を共有した翌日の、自身に満ちた女の顔をヒマワリベーカリーで何度も目にしてきた久美。
愛する人を奪われた女の憎々し気な顔も。
最初に出逢った時もそうでしたが、職場の恋愛問題で気持ちが揺れ始め心の内を聴いてほしくて凡そ3か月後に連絡を取った時、彼の様子があまりに悲惨過ぎて可哀想で助けてあげねば自分は人間じゃないとまで思い込むようになっていったんですが・・・
今思えばアレも散々不貞を魅せつけられ発情した末の女のサガだったような気がしてきたんです。
「奥さんの、宮田ってオトコとのアノときのコト 忘れられないのね」
「そんなことない! アイツのことなんか・・・」 目の前の久美ですら断言に至った妻 幸恵のNTR 興奮のあまり腹筋が痙攣を起こしそうになっていました。
「すぐ楽になるから」 久美は孝志さんのパジャマのズボンを引き下ろすと掌でのの字を描くように臍の周囲を撫で摩りました。
掌の温もりが伝わったのか緊張が緩むのがわかりました。
泣きそうな顔をしながら、でも今でも悔しくてたまらないのか、それとも撫で摩られたことで気持ち良くなったのかアソコがこんもりし始めました。
当初はせめて仕事終わりにと ふたり並んでキッチンに立ち食事つくりを手伝ってたんですが、本格的にチ〇ポくんとおばちゃんたちの愛の交歓が始まると心がざわつくんでしょう。 艶子さんの気まぐれで急遽店の模様替えが行われ、しかも閉店後これを毎日行えと命じられ残業に追われる日々が続き間に合わなくなり、悪いと思いながらもついついパンを届けるだけになっていったんです。
眠さと疲れからウトウトしながら腹部を懸命に撫でさする久美。
気持ち良さに孝志さんが寝入るのを見届けてから久美は家路に向かうんですが、目覚めた時久美がいないことに気付いた孝志さんはこれまでにないほど悲しみに暮れていったんです。
人に迷惑をかけたくない孝志さんは再び薬に頼るようになりました。
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