強引に迫る隼人に、佳純は泣きそうな目をして許しを乞うた
佳純は咄嗟に頭を下げて哀願した。 隼人の計算通りだった。
「旦那にはあくまでも内緒にしときたいんだな? だったら俺の言うことを聞いてもらおうか」
「……はい」
佳純はまるで蚊の鳴くようなか細い声で返事をした。 かすかに震えている。
「旦那はまだ帰ってこないってさっき言ってたな。 今のうちに家に上がらせてもらおうか」
隼人はスマホを内ポケットに戻し、佳純の肩に手を回した。 佳純は俯いたまま隼人を伴って店の奥へと入っていった。
客としてきているときには入ることもできなかった厨房奥へと佳純は隼人を誘った。 この日の佳純はデニムのジーンズを穿いて清楚なブラウスを着ている。 こういった系統が旦那の好みなのだろう。
厨房奥のドアを開け中に入ると景色が一変した。 玄関と思えるところにふたりがデート中に撮ったであろうツーショット写真が飾られていた。 その玄関と思えるところを抜けると夫婦ふたりだけの空間が広がっていた。
可愛らしいカップや小物を置く小さな棚は旦那のお手製だろうか、そこには如何にも彼女が好みそうなレイアウトでまとめられ小物が並べられていた。
長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第27話 Shyrock作
チーズフォンデュ
逗子、鎌倉、藤沢を通って、茅ヶ崎、平塚そして大磯へと足を伸ばした。
人気スポットとは言ってもさすがにこの時期は人影も少なく、磯釣りを楽しむ姿を疎らに目にする程度であった。
帰路に着き、ありさたちは夕食の食材を求めてスーパーに寄ることになった。
今夜はチーズフォンデュである。
陽が西に傾いた頃別荘に戻ったありさたちは早速料理の準備に取りかかった。
今夜は俊介と浩一も調理に参加している。
ふたりともチーズフォンデュとロストポテトを作るのは初めてだ。
浩一がフォンデュ用のグリュイエールチーズとエメンタールチーズを摩り下ろし始めた。
球が鍋の内側全体ににんにくを擦りつけている。
鍋にワインを入れて、中火で温めるのがコツだ。
沸とうする直前に火を止めて、浩一が切ったチーズを入れて、弱火でチーズが完全に溶けるまでゆっくりと混ぜながら加熱する。
向こうでは俊介がフランスパンを切っている。
ありさは水洗いしたじゃがいもとバターをフライパンで炒めている。
ありさは球の調理風景を見ながら微笑んだ。
ありさ「わ~い、鍋がぷくぷく言い始めてるぅ~」
球「にゃっ、美味しそうでしょう?」
球はコーンスターチをキルシュで溶き鍋に入れた。
tag : 恋人交換
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アップデート 2024/02/21 12:45
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