深夜、どこからともなく聞こえる嬌声
魚介類ではなく、蒲鉾やハムなど都会の、それも大食漢が好んで食べる安くて量勝負のそれがインスタントの吸い物とともに供されたのだ。 こんなものを対価を払ってわざわざ遠方まで食べに来なくても、東京ならもっとましな総菜がいくらでもそこいらで売られている。
(かなわないわね……こんなものがごちそうって考えること自体、どうかしてるわ……)
まがい物である以上、ちゃんとした自然食品が使われてないことぐらい加奈子にもわかる。 原料が気になって食べる気がしない。 が、もしこの地のどこか他の宿に泊まったとしてもどこも同じなら、しかもそれを毛嫌いするなら、すきっ腹を抱えあの船にまた乗って引き返さなければならない。
(来た人たちはみんな、中身はともあれ、楽しかったようなふりして帰っていくんだろうな)
こう考えた加奈子は仕方なくそれに倣った。
(それにしても凄い場所ね)
そう言いたくなるのも無理はない。 部屋中隙間だらけ、おまけにこの時代、滅多に見ることもなくなった新建材 (主に石油を原料とした化学製品を接着剤で張り合わせたもの) の壁。
「人妻あや 悪夢の別荘地」 第1話 南軽井沢 Shyrock作
ヒロインのあやは夫と夏休みを利用し別荘で過ごすことになります。
そんな中、宝石強盗をはかり逃亡中の20代カップルが侵入してきます。
あやたち夫妻の運命やいかに……
山霞 あや 30歳 158センチ
才色兼備で魅力的な豊満ボディを持つ人妻。俊介と結婚して6年目。子供はいない。生け花と乗馬が趣味。
山霞 俊介 34歳 175センチ
四菱物産㈱代表取締役山霞進太郎の長男。同社事業開発部長。仕事は優秀だが少々頑固。囲碁はアマチュア四段の腕前。
笠原 真司 27歳 180センチ
以前関東大手の暴力団の一員であったがいざこざを起こし組を破門。銀座の宝石店強盗を決行し逃走中。
二宮 百合 23歳 164センチ
渋谷のキャバクラ嬢。派手な顔立ちで男好きするタイプ。笠原の恋人だが実はバイセクシュアル。笠原の銀行強盗を援助し共に逃走中。
向井 忠幸 21歳 172センチ
T大学の野鳥研究会一員。バードウォッチングをこよなく愛し雄大な自然に楽しんでいる。
それはある夏のことだった。大手商社四菱物産社長の長男であり、まだ三十四才という若さにもかかわらず同社事業開発部長を任されていた山霞俊介は、夏の休暇を利用して妻のあやとともに、俊介の父が所有する南軽井沢の別荘を訪れていた。
日頃は家事を家政婦に任せていたあやも居間を豪華な花で飾り、この時ばかりはと腕によりをかけてご馳走をこしらえ俊介を喜ばせた。
ちょうどその頃、南軽井沢附近の暗い山中を若いカップルが重い足どりで歩いていた。
男は大きなショルダーバッグを重たそうに担いでいる。
「ふう、疲れたぁ。肩がパンパンに張ってるぜ」
「ねえ、どこかに泊まろうよ」
「けっ、こんな山中にラブホテルなんてあるもんか」
「ラブホじゃなくても一般のホテルとかあるんじゃないの」
「仮にあったとしてもこんな真夜中に一般のホテルに飛び込みで行ったら怪しまれるだけじゃねえか」
「そうかしら……」
「今頃、俺達のニュースが流れてるかも知れねえし。ホテルに泊まるなんて警察に自首するようなもんだぜ」
「でも野宿なんてできないし……夏なのにめちゃ寒いじゃん」
「ふうむ、確かになあ……」
tag : 夫面前凌辱
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アップデート 2024/02/21 12:45
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