知佳の美貌録「男を立てるため生きてきた母」
躰の不自由なご隠居様に女衒は情け容赦なく夫婦生活を強要している。 脊椎を損傷しているような体で幾人もの子を産まされ、その一点では惚れぬいてしまい、生涯生まれ故郷に帰ることもままならずその失望の中穢多(えた)・非人(ひにん)の住まう地区でその生涯を終えている。 このご隠居様に対しなぜに女衒がこれほどまで執着しなければならなかったかといえば、それは生きてきた地にこそその原因がある。 いわゆる穢多(えた)が住む地とは法がまかり通らない地。 女衒程度のものは掃いて捨てるほどいる。 仕返しが恐ろしくて威張るに威張れなかった。 その点ご隠居様は生まれもさることながら、その容姿も穢多(えた)の地に、あまりに似つかわしくない気高さ美しさがあった。 誰も彼もまるで仏様か観音様でもいらっしゃるかの如く崇め奉り陰日向(かげひなた)なく「ご隠居様」の名称で呼んでくれていて、その恩恵ゆえに女衒家は一目置かれ高貴な家として見てくれていたようである。 穢多(えた)・非人(ひにん)の住まう地区が政府役人によって立ち退きを要求されるようなことがなかったのも、このご隠居様がいたからであろうと思われる。 それが証拠に、ご隠居様が亡くなると待ってましたとばかりに政府によって土地区画整理がなされ、この地区は永遠地図上から消えうせている。 男手故女衒は三度三度米の飯を腹いっぱい食えたが、これもそれもご隠居様のご意向。 ご隠居様は食べた気になって雑穀粥を啜らなければならない時もあったというが、そんな時でも女衒には酒に肴、白米と一汁三菜はつけていたというから呆れる。 こんな苦労が祟ったからであろう、ご隠居様は老いてすっかり背が曲がり、歩くのもつらくなっても どこからなりと女衒の顔が立つよう仕え密かに仕事を探してきて繁栄を絶やさないよう努めてくれた。 女衒が何不自由なく生活できたのはご隠居様のこのご威光によるものだった。 そのご隠居様に何かと反発しながら育った好子でさえ、オンナになってからは例えば亭主に、或いは躰の関係を持つことになる男どもにでも、自分のことはさておき、ろくに金も渡してくれないにもかかわらず、善悪ないまぜにせっせと貢ぎ続けている。 どこかでこういったやり方を断ち切らなければならなかったものを、好子が産んだ久美も、そして久美が産んだ留美までをも、あろうことかことごとく男に貢ぎ続ける性活を疑問も持たず送り続けている。 興味惹く例がある。 好子は二十代になろうかならぬかのある日、同じような年代の女から果たし状をめいたものを渡されたという。 生来気の強い好子は「やるってんならやってやろうじゃない!」といきり立って出かけた。 呼び出された場所は公園の片隅の木立の中だった。 薄暗がりの中、立ちはだかる女がいきなり口にしたのは「あたしの男をよくもたぶらかし・・・」だったという。 好子はその、たぶらかしたと言われた男にナンパされ関係を持ったばかりだったのだ。 好子がたぶらかすからと、飽くまで言い募る女に対抗意識が芽生え組んず解れつ(くんずほぐれつ)の大喧嘩になったが後になって男にこのことを伝えると、男は好子を失いたくなかったのだろう、件の女を好子の眼前に呼び出し「お前のことが好きで付き合った覚えなどない」と言い張ってくれたという。 相手も負けん気の女。 しばらく睨みあいのような状況になったものの、好子にべったりの男の姿を見ていつしか喧嘩相手の女の方が折れ引いてくれたという。 それならその男が好子に関係を持とうとすると貢物を携えて来て股を開いてくれることを懇願したかというと、そうではないらしい。 始めのころだけ熱心だったらしい。 初物を味わおうとするとオトコというものはとことん女にへつらい、合意を取り付ける。 取り付け女の方から懇願という段になると豹変し甚振る。 その甚振りが好子はもちろんライバルの女にとってもたまらなく愛おしく感じたらしく、女だてらに血気盛んな行動にまで発展していったようだ。 しつこいと思えば真逆の心地よさを送り込む、終いに懇願まで追い込み 肉同士が深く触れ合うことに我を忘れ、つまるところ屈したんだと思われてならない。 果たし状を送り付けるほど惚れてくる女を振ってまで好子に懇願してきた男。 それほどに好子にべた惚れなら何故と思われる方もあるやもだが、突っ込みたくなると相手の都合などお構いなしに姿を現す程度で、普段は知らぬ存ぜぬ、逆に好子こそ男の世話を女衒に関係がばれ、男が追っ払われるまで続けたというから女とは不思議な生き物である。 ただ言えることは、好子たちの場合普通の女どもに比べると少しだけ異常すぎるのだが・・・ それが家系からくるものなのか、はたまた育ちの悪さからくるものなのかわからないが、屈服という意味合いでいうなら好子は旅館で利用されるがままに躰を開き、挙句ろくなものを渡してもらえず、それでも通い続けたように信じられないほど弱い。 売春まがいのことが陰で噂されるようになり終いには下宿生の恋人という女にまで知られることとなり彼女が嫉妬から家に悪戯するようになり、教員が教務時間中いかがわしいことをやらかしていて、その相手がどうやら好子に似ていると聞いて確証を得ようと旅館街をうろつくようになって、とうとう双方(17歳&人妻)とも手を引かざるを得なくなり・・・ 性欲を抑えきれない妙齢になりつつあったからだろう、その分余計にそのケチな校長や生殺し役の男のもとに通い続け貢ぎ続けるようになったという。 つまりご隠居様を筆頭に彼女の家系の女どもはいづれも男根で膣を屈服するほど埋めてもらって、初めて女心が芽生えるような躰をしていたのである。
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