四畳半での謝礼 ~海岸線の漂着物~
それでも海に行く、気晴らしの散歩に。
水際で戯れていると時間を忘れる。 山育ちだから尚の事海は興味をひかれた。 普通の人はそっぽをむくゴミだって、彼にとっては海の一部なのだ。
大自然と触れ合うのは好きだが、それで生活できるほど世の中甘くない。 少しでも利益に結びつけようと、この頃では海で獲れたものを持ち帰ることに厳しく制限している。
哲也がゴミと戯れるのは、釣りをしたい気持ちを忘れるためだ。
だが、一部の人たちから見れば哲也の行動は疑わしいものであったに違いない。 なんとすればそれは、漂流物を装って禁制品を沖合で流しておいて、後になってこっそり回収し利益に結び付ける輩がいるからだ。
流す時間帯と潮の流れ、それに気象条件によって目的地にうまく流れ着いたり、方向違いのところに漂着したりする。
懸命にそれらの品々を探し歩いていた関係者の目の前で哲也は、何かを拾い、どうにかしていたようなのだ。
深夜の公園がどうのというのは、如何にも人が潜みやすい廃屋裏がかつて取引に利用されたことがあったからだ。
官能小説 「悪夢のナースコール」 第7話 “鬱蒼” (最終話) Shyrock作
「何なら写真を院内にばら撒いてやってもいいぜ」
「そんなことしたらあなた達の顔も丸判りじゃないの」
「残念だが俺たちの顔はちゃんとカットしているから問題なしって訳さ。気を遣ってくれてありがとうよ」
「くっ……」
「先生方が見るとはさぞかし驚くことだろうな~。だってこの病院ナンバー1の美人看護師さんが病院ですげえことやってるんだからな~」
「そんな卑怯なことやめて!」
「ふふふ、そう心配すんなって。あんたさえこれからも俺たちの言うことを素直に聞いてりゃ変なことしねえよ」
「私を脅かすのね」
「何か人聞きが悪いなあ。ははは~」
◇◇◇
衣葡にとって地獄のような長い夜がようやく明けて、午前5時になった。
その表情には隠しきれない疲労の色が滲み、雪曇りの空のようなどんよりとした影が心を覆っていた。
衣葡は重い足取りで部屋を出た。
ボタンがちぎれ着衣も乱れたままでナースステーションに戻る訳には行かなかったので、一度更衣室に寄ることにした。
途中悔しくて涙がこぼれ落ちた。
(口惜しい……何故こんな仕打ちを受けなければいけないのか……)
そんな衣葡を廊下の陰から冷ややかに見つめる一つの視線があった。
詩織である。
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アップデート 2024/02/21 12:45
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