四畳半での謝礼 ~傷ついた哲也を案ずる救急外来のナース~
(あの野郎…やりやがったなー)
逃がしてやった後悔と、お人よし過ぎた怒りとで頭がどうにかなりそうだった。 大事な警備服だって無事では済まないだろうが、調べる勇気は湧いてこなかった。
荷物を拾い集め、小脇に抱えて公園を出ようとして誰かが近づいてくるのに気付き身構えた。 生垣の向こう側から現れたのはナースだった。
「あそこで誰かと争っていたのは、もしかしてあなたですか?」
痛めた躰を引きずるようにして歩いている哲也を見て、ナースは持っていたピッチでどこかと連絡を取り始めた。
「それがどうかしましたか?」
初対面の人間に対する下目線の物言いに、心底腹が立ち、睨み据えた。 今頃になって現れ、正義漢ぶって通報しようとする。 その態度が気にくわなかった。
「どこか怪我しなかったですか?」
観ればわかるだろうと言いたかった。 医療の専門家であっても、薄暗い常夜灯の下では、余程近づいてみない限り状態は分からないらしい。
官能小説 「悪夢のナースコール」 第2話 “拘束” Shyrock作
しかし反応がない。
早くも眠りに落ちてしまったようだ。
さすがに医療用睡眠薬の効果は絶大だ。
衣葡が眠ったことを確認した内田と山口は次の行動に移った。
内田と山口は衣葡を抱えあげ右奥の患者がいない空きベッドへと運んだ。
空きベッドにはあらかじめ天井からロープが吊るされている。
準備に手抜かりがないようだ。
内田たちは足音を忍ばせそっと衣葡をベッドに寝かせた。
すぐさま口にタオルを咬ませる。
目を覚ました際大声を出されては困るのだ。
次に両手首を別々に紐で縛り、天井から吊るされたロープにしっかりと結わえた。
膝立ちで両手をあげた姿で緊縛されているが、眠っているため頭がだらりと前に垂れている。
内田は眠っている衣葡の耳元でそっとささやいた。
「ふふふ、それにしてもあんたは超がつくほどの美人看護師だぜ。毎日あんたに世話してもらっているけど、そのたびに俺のせがれが元気になって困ってたんだよ。もっぱらあんたは知らないふりをしていたかも知れないが。禁欲生活で溜まりに溜まっているところへ、あんたのようないい女がやってくるのは男にとって罪なんだなあ」
などと好き勝手な御託を並べながら内田はついに白衣に手を掛けた。
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アップデート 2024/02/21 12:45
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