四畳半での謝礼 ~哲也と人妻、ふたりが思いを馳せた海~
「おはよう、おばちゃん。 わかってるよ、わかってるって。 でもなあ、俺なんかどこの会社も雇ってくんないんだ。 海だけだよ、楽しいのはよ」
盆を過ぎると海はその姿を変える。 夏の間、太平洋高気圧の影響で南から北に向かって吹き上げていた風が、季節が代わってまた西風になり、一気に波高が高くなる。
あんなに賑わった浜辺が、急に閑散としてくる。
おばちゃん、女の子が来なくなった海が、そんなに楽しいんか? と、問いたかったのだろう。 会社勤めをするなり、休みに街に出かけたりすれば、運がよければ相手が見つかるかもしれないのにと言いたかったのだろう。
が、哲也にとって波が異国の何かを運んでくれるであろうからこそ海は楽しかった。 実社会は見た目で判断する。 相手が誰であろうが決めつけてかかる。 海は漂流物を運んできてくれる。 そこに差別はない。 あるのはツキ
その同じ海に、また別の意味において思いを馳せ彷徨える人物が複数人いた。 そのひとりがあの人妻だ。
好天の日もあれば、今にも泣く出しそうな空を見上げつつ彷徨わなければならないときもある。
哲也は、趣味に事欠け茫漠たるものを探し求め海岸線を彷徨い歩いているのに対し、人妻は茫漠という点では似通ってはいるものの、探す範囲は桁違いに広範囲で、モノも夢とは必ずしも言い難いが、あるにはあった。
「静 シンデレラキャット」 第11話 Shyrock作
静は直滑降のようなスタイルになっている訳だから、確かに前方は膝と腹部との間に隙間があまりなく、無理やり指をこじ入れると静を起こしてしまうかも知れない。
ところがこの姿には盲点もある。両膝を屈伸させている分、後方は無防備になてしまっているわけだ。
俺は心を躍らせながら、静の後方に足を忍ばせた。
比較的小ぶりだがぶりっとしてよく引き締まった尻が目前にそびえている。
ぴったりとフィットしたジーンズがよく似合いそうな尻だ。
しかも今その引き締まった尻を包み込んでいるのは、たった1枚の薄い布地だ。
静が穿くパンティはTバックやGストリングス等の派手なものだろう、と勝手に想像を膨らませていたが、意外にも質素な白の木綿であった。
ちょっと残念でもあったが、反面ほっとしたような安堵の気持ちもあった。
俺は下着越しだが静の尻に触れた。
(ドックンドックンドックン・・・)
激しく胸が高鳴る。
(ほへぇ~~~!何と!!ついにあの静の尻を触ったぞ~!!)
クラス男子のあこがれの的で高嶺の花女子である静に触れることができて、俺は激しく感動を覚えた。
心臓が破裂しそうなくらいに激しく脈を刻んでいる。
四畳半での謝礼 ~留守宅に忍び込む人妻~
女性が来訪したというだけで舞い上がってしまった。 そう思うことにした。
失恋の痛手は相当手ひどく、彼女が公園で漢に凌辱されていたのを助けた折に、漢と争ったこともそうなら、その女性が恐らく、痴○を働いたであろう漢を愛無しに受け入れていたのを見たこともショックで眠れなかったが、今回 それに輪をかけ眠れないのである。
(なんでアイツ帰っちまったんだろうなあ)
考えることと言えば、そればかりなのである。
家庭を持ち人妻となった女性を童貞が、性戯で堕とせるなどと、本気で思ってはいなかった。 が、それでも彼女を想う気持ちだけは誰にも負けてないと思いたかった。
(公園でかっこいいとこ見せて、この部屋で漢であることを示し…あ~あ、なんでかなあ)
何故行為が終わった余韻に浸ることもせず、逃げ帰らねばならなかったのか、哲也にはそこいらが謎だらけ。
どうせ眠れないならと、深夜になって車に轢かれかけた現場を見て回った。
(変だなあ…ここに間違いないはずなのに、痕跡がないや)
暇なものだから、地べたを捜査関係者よろしく這いずり回って何か落ちてないか見回すのだが、自分が落としたであろう海で拾って来たきれいな貝殻のかけらすら見つからない。
その他連絡事項
- 官能小説『知佳の美貌録「お泊まりデート」 彼のマンションから朝帰りする久美の次女瑠美』
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アップデート 2024/02/21 12:45
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